ミニ・クーパー:英国車のアイコン ランドローバー・レンジローバー:醸し出す特別感 誇らしきUK製モデル(1)

公開 : 2024.11.16 09:45

ランドローバーレンジローバー:特別感を醸し出す特徴

継続性といえば、忘れてならないのがランドローバー・レンジローバー。英国車の、もう1つのアイコンだろう。結局、英国人は自国が好きで、伝統が嫌いではない。

用意したのは、ブルー・グリーンのレンジローバー・イヴォーク。ローズゴールドのトリムが、いいアクセントになっている。小さなレンジローバーだが、高級感あるデザインは魅力的で、価格も現実離れしていない。SUVブームの中で、欲しいと感じさせる。

ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク P300e(英国仕様)
ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク P300e(英国仕様)

初代イヴォークの発売は、2011年。小さなプレミアムSUVの創出は可能だと、一発で証明してみせた。手法的には、BMWがミニに対して実行したことと似ている。コンパクトでも、お高めの価格を納得させる仕上がりにある。

ここゲイドンには、ランドローバーの拠点がある。レンジローバーやディフェンダーをしばしば目にするが、その存在感は確かなものだ。

今日のイヴォークは、P300eと呼ばれるプラグイン・ハイブリッド。駆動用モーターだけで走行も可能で、同ブランドとしてはエントリーモデルに当たるが、運転中の充足感は非常に高い。固有の特徴も、特別感を醸し出している。

少し起き気味のドライビングポジションや、滑らかなステアリング、路面を優しくいなす乗り心地など、すべてが上品。第一級のSUVなことに、疑う余地はないだろう。

バッテリーEVのレンジローバーも開発中

もう1台、後ほどご紹介するが、日産キャシュカイ(旧デュアリス)とは同じサイズ感にある。しかし、直接的なライバルには当たらない。新型は従来以上に高級感を高め、運転も楽しいが、イヴォークはまったく異なる印象を残す。

これが、レンジローバーたるゆえん。目隠しをして座っても、ロゴを隠して運転しても、恐らくランドローバーの1つだと当てられる。目では見えない部分にも、本質が浸透している。英国価格も、大きく異なるが。

ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク P300e(英国仕様)
ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク P300e(英国仕様)

グレートブリテン島中西部のヘイルウッドと、中部のソリハルの2か所に、ジャガー・ランドローバーは生産拠点を有する。そのすぐ隣、キャッスル・ブロムウィチの工場は、2024年5月に役目を終えたばかり。

2023年の生産数は、合計23万8422台。上級ブランドだと考えると、驚かされる数字だと思う。

ジャガー・ランドローバーは、バッテリーEVの開発を進めている。先行するのはレンジローバー。その直後に、ジャガーが続く予定とのこと。英国が誇るブランドは、未来へ向けて歩み続けている。

この続きは、誇らしきUK製モデル(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ヴィッキー・パロット

    Vicky Parrott

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

誇らしきUK製モデルの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事