日産キャシュカイ:市場へ巨大な影響 トヨタ・カローラ:ファミリーカーの伝説 ヴォグゾール・コンボ:積載量マックス 誇らしきUK製モデル(2)

公開 : 2024.11.16 09:46

ヴォグゾールコンボ:可能な限りの積載量

カローラ・ツーリングを超える積載量が必要なら、ヴォグゾール(英国オペル)・コンボ・ライフが良いだろう。プジョー・リフターやシトロエンベルランゴなど、ステランティス・グループのEK9系と呼ばれるワンボックス・ファミリーの一員だ。

グレートブリテン島西部、エルズミアポートでヴォグゾールがビバの生産を開始してから、2024年で62年が過ぎた。現在は約1億ポンド(約192億円)が投資され、バッテリーEVの量産体制が整えられつつある。

ヴォグゾール(英国オペル)・コンボ・ライフ・エレクトリック(英国仕様)
ヴォグゾール(英国オペル)・コンボ・ライフ・エレクトリック(英国仕様)

このコンボ・ライフ・エレクトリックを含む、EK9系の電動バンは、2024年10月からエルズミアポートで本格的な量産が始まっている。大規模な改修もあり、2023年の生産数は4308台と少なかった。しかし、2024年は増加する見込みだ。

ヴォグゾールは、ロンドンの北のルートンにも工場を構えている。ここで作られているのは、ヴィヴァーロと呼ばれる、コンボ・ライフより大きい商用バン。乗用車仕様も開発中とのことだが、完成はもう少し先になるらしい。

生活の一部へすぐに馴染むクルマ

最新コンボ・ライフ・エレクトリックの運転体験は、と書きたいところだが、まだメーカー側からストップがかけられている。少なくとも、車内空間は広大だ。

実用性の高いファミリーカーを検討する時、英国人の殆どはSUVに目を向ける。だが、スペース効率を追求するなら、ワンボックスに叶うものはない。自動車に求める多くのことを、叶えてくれる。

左からミニ・クーパー Sと、ヴォグゾール(英国オペル)・コンボ・ライフ・エレクトリック
左からミニ・クーパー Sと、ヴォグゾール(英国オペル)・コンボ・ライフ・エレクトリック

コンボ・ライフも、多くの人と荷物を運ぶことを重視して設計されている。荷室は広大で、シートは座り心地が良く、ダッシュボードは使い勝手が良い。内装は暗すぎず、素材のチョイスも好ましい。

少し走らせてみれば、生活の一部へすぐに馴染むと実感する。座り慣れたソファーのように。走行距離が伸びるほど、愛おしさも増すだろう。

というわけで、英国で生産される5台をご紹介したが、その多様性には改めて驚かされる。上級ブランドのSUVから、魅力的なコンパクト・ハッチバック、ファミリカーの伝説まで、カバーする領域は極めて広い。

ここにはないが、マクラーレンアストン マーティンなども忘れてはならないだろう。生産数だけでなく、その多くが世界クラスの実力者だということが、とても誇らしい。

協力:英国自動車博物館

記事に関わった人々

  • 執筆

    ヴィッキー・パロット

    Vicky Parrott

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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