心を満たす多くの魅力! 最新 ミニ・エースマン SEへ試乗 まん丸モニター 刺激的な運転体験

公開 : 2024.11.02 19:05

活発な走り 機敏な回頭性 硬めの乗り心地

エースマン SEは、活発に走る。ミニがエクスペリエンス・モードと呼ぶドライブモードが穏やかな状態でも、しっかりエネルギッシュ。追い越しや高速道路への合流で、力不足を感じることはないだろう。

ステアリングの反応は素早く、回頭性はかなり機敏。少しワイドなボディのプロポーションも、貢献していそうだ。混雑した都心部を、軽快に駆け回れるに違いない。

ミニ・エースマン SE(欧州仕様)
ミニ・エースマン SE(欧州仕様)

回生ブレーキの効きは、3段階から調整可能。アダプティブ・モードも指定できる。タッチモニターのサブメニューから、切り替える必要はあるが。

そんな印象は、郊外に出ても変わらない。またスタイリングやインテリアと並んで、エースマンの強みといえるのが、1クラス上のモデルへ匹敵するマナーを実現していること。高速域での安定性は高く、信頼感が湧いてくる。

乗り心地は少し硬め。アダプティブダンパーの設定はなく、路面の凹凸を拾い気味で、垂直方向の揺れが目立つ。大きな隆起部分を通過すると、ズシンと衝撃音も聞こえてくる。長距離移動が得意分野とはいえないだろう。

とはいえ、減衰特性はしっかり練られており、衝撃へ身構える必要はない。落ち着きはないかもしれないが、購入を見送るほどではないと思う。

もう1つ指摘したいのが、小回り。最小回転直径は11.1mで、このクラスとしては大きめ。5 E-テックやジープアベンジャーなどは、10.5m前後に留めている。

刺激的な運転体験 多くの魅力が心を満たす

英国価格は、エースマン Eで3万1800ポンド(約617万円)から。SEでは、3万6300ポンド(約704万円)からに上昇する。このクラスでは、お高めといえる。航続距離は、5 E-テックやシトロエンe-C3より短い、403kmがうたわれる。

それでも、ミニだから欲しいという気持ちは理解できる。初めて見れば驚けるデザインのインテリアは、このクラスではトップクラスに上質。パーソナライゼーションの幅も広い。運転体験も刺激的。しっかりミニらしいと感じられる。

ミニ・エースマン SE(欧州仕様)
ミニ・エースマン SE(欧州仕様)

コスパや合理性で選ぶモデルではないとしても、多くの魅力が心を満たす。ミニ・クーパーより実用性は高く、ファミリカーとしての要件は満たしている。運転すれば、楽しい気持ちが溢れ出すはず。

◯:運転が楽しい 素晴らしいインテリアデザインと製造品質 ミニらしい個性
△:装備や航続距離を考えると割高 狭めの車内 少し癖のある運転体験

ミニ・エースマン SE(欧州仕様)のスペック

英国価格:3万6300ポンド(約704万円)
全長:4079mm
全幅:1754mm
全高:1514mm
最高速度:168km/h
0-100km/h加速:7.1秒
航続距離:403km
電費:7.0km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1785kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:49.2kWh
急速充電能力:95kW
最高出力:218ps
最大トルク:33.5kg-m
ギアボックス:1速リダクション(前輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    ヴィッキー・パロット

    Vicky Parrott

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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