シャオミ、世界最速4ドア・セダン公開 1548馬力の「SU7ウルトラ」がニュルで記録更新

公開 : 2024.10.31 18:05

中国シャオミ(小米/Xiaomi)が高性能EV「SU7ウルトラ」を正式発表した。0-100km/h加速わずか1.98秒、最高速度333km/hとされ、価格は81万4900人民元(約1750万円)から。

ポルシェタイカンなどに対抗

中国のシャオミ(小米/Xiaomi)は、新型の高性能EV「SU7ウルトラ(SU7 Ultra)」の量産車バージョンを正式発表した。2024年末までに発売予定で、価格は81万4900人民元(約1750万円)から。

同社初のEVであるSU7をベースに、英国のモータースポーツ企業プロドライブの技術協力と合計出力1548psを実現したスポーツモデルだ。

シャオミSU7ウルトラ
シャオミSU7ウルトラ    シャオミ

SU7ウルトラは3基のモーターによる四輪駆動システムを採用し、0-100km/h加速はわずか1.98秒、最高速度は333km/hに達する。

すでに、ニュルブルクリンク北コースにおいては量産4ドア・セダンとして最速の6分46秒874というタイムを記録している。

中国での納車は2025年前半に開始予定で、海外市場への輸出の可能性も否定されていない。

SU7ウルトラは、シャオミの「ハイパーエンジンV8s」という電気モーターを初めて採用した。この名称は、従来のV8ガソリンエンジンと同等のパワーを発揮することを想定したもので、モーターの最大回転数は2万7200rpmとされている。

リアに搭載された2基のV8sモーターはそれぞれ578ps、フロントに搭載された「V6s」モーターは392psを発生する。これにより、合計出力は1548psとなり、標準のSU7と比較して875psの向上となる。

参考までに、3基のモーターを搭載したポルシェ・タイカン・ターボGTの合計出力は1107psである。

SU7ウルトラは、0-100km/h加速1.98秒、0-200km/h加速5.86秒、最高速度333km/hで、対するタイカン・ターボGTはそれぞれ、2.3秒、6.4秒、277km/hである。

「ニュル最速」の称号獲得

SU7ウルトラは、シャオミ独自のEVプラットフォーム「モデナ」と800Vシステムを基に、エネルギー容量93.7kWhのCATL製「麒麟(Qilin)」バッテリーを搭載している。

中国CLTCテストサイクルにおける航続距離は最長620kmとされる。

シャオミSU7ウルトラ
シャオミSU7ウルトラ    シャオミ

また、英国のプロドライブ社との提携によりシャシーを特別にチューニングしたほか、ビルシュタインの「Evo T1」ダンパーを採用している。

ブレーキシステムは、標準のSU7に搭載されているブレンボ製とは異なり、APレーシング製を導入。フロント430mm(6ポット)、リア410mm(シングルフローティング)のカーボンセラミックディスクを使用する。

今年10月、SU7ウルトラのプロトタイプは、英国人レーサーのデビッド・ピタードの運転により、ニュルブルクリンクで6分46.874秒のラップタイムを記録。市販の4ドア・セダンとしては最速となる公式ラップレコードを樹立した。

量産車バージョンでは、このプロトタイプよりも控えめなエアロおよび冷却パッケージが採用されている。フロントスプリッター、ボンネット、カーボンファイバー製リアウィングがややマイルドな外観となるが、最大16度に傾斜するアクティブ・ディフューザーと組み合わされ、ダウンフォースを増強する。

シャオミによると、最高速度333km/hで285kgのダウンフォースが発生するという。

同社は正確な車両重量を公表していないが、2400kg未満であると述べている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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