ニュルブルクリンクを7秒超短縮! 小変更 アウディRS3へ試乗 シャシー技術を大幅アプデ

公開 : 2024.11.13 19:05

アウディが誇るホットハッチ、RS3が小変更 見た目はしっかり差別化 最高出力は変わらず シャシー技術をしっかりアップデート ニュルブルクリンクを7秒以上短縮 英国編集部が評価

RS3がマイチェン 見た目はしっかり差別化

2020年に発表された、8Y系のアウディRS3がマイナーチェンジを受けた。ただし、スペックシートを見る限り、ハード的な改良は施されなかったように見えるかもしれない。

2.5L直列5気筒エンジンの最高出力は399psで、印象的な数字ながら、従来と変わりはない。50.9kg-mの最大トルクも同様だ。280km/hの最高速度や、0-100km/h加速の3.8秒にも変更はない。

アウディRS3 スポーツバック(欧州仕様)
アウディRS3 スポーツバック(欧州仕様)

スタイリング的には、しっかり変化が付けられている。フロントバンパーのエアインテークは大きくなり、リアバンパー下部のディフューザーも面積が増えた。アルミホイールのデザインにも、新しい選択肢が用意された。

フロントグリルの格子も、ハニカム状からダイアモンド状へ変わった。アウディとしては斬新といえる、鮮やかなグリーンの塗装色も選べる。

インテリアを観察すると、ステアリングホイールが新しい。リムは上下がフラットな形状で、パフォーマンスモード・ボタンのレッドが目立つ。メーター用モニターに描かれる、タコメーターのグラフィックも更新された。

試乗車のスポーツバックには、レーシーなバケットシートが組まれていた。これはオプションとのこと。

ニュルブルクリンクを7秒以上短縮

それでも、今回のマイナーチェンジは表面的な部分だけではない。実際、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェのラップタイムを7秒以上も縮めている。

最新のRS3は、7分33秒123で周回できるという。テストドライバーを努めた、フランク・スティップラー氏の運転技術が秀抜なことは間違いない。だが、アウディはアップデートの成果だと強調する。

アウディRS3 スポーツバック(欧州仕様)
アウディRS3 スポーツバック(欧州仕様)

果たしてRS3は、タイヤとアダプティブタンパー、トルクスプリッター・デフ、制御ソフトウエアに大幅な変更を受けた。担当技術者が設定した目標は、新しいドライブモード、RSパフォーマンス・モードで、一層の敏捷性を与えることだった。

このモードを選択すると、コーナリング中に内側のブレーキを効かせ、トルクベクタリングが積極的に機能。アンダーステアを抑え、ラインを引き締め、一層鋭いパワー展開を可能としている。

今回試乗したのは、ニュルブルクリンクではなく、スペイン北東部のパルクモートル・カステリョリ・サーキット。筆者の技術はスティップラーの足元にも及ばないが、コーナリングの安定性は印象的なものだった。

侵入時にやや不安定な状態だったとしても、エイペックス目がけて鋭く回頭。コーナーの半分を過ぎた辺りで、パワーを臆せず放出していける。周回を重ねるほど、そのポイントを詰めていける。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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