ニュルブルクリンクを7秒超短縮! 小変更 アウディRS3へ試乗 シャシー技術を大幅アプデ

公開 : 2024.11.13 19:05

5気筒の素晴らしいサウンド 低速マナーも強み

RS3は公道前提のホットハッチだから、ラップタイムの短縮だけへ注力されたわけではない。ワインディングでも相応に安定性は増しており、2.5L 5気筒のEA855ユニットは、素晴らしいサウンドを放ちつつ、圧巻のレスポンスで399psを発揮する。

アイドリング時から、1-2-4-5-3の点火タイミングによって、ビートの効いた排気音を楽しめる。もちろん、ご近所付き合いを考え、静かにも切り替えられる。

アウディRS3 スポーツバック(欧州仕様)
アウディRS3 スポーツバック(欧州仕様)

マイナーチェンジ前から、明確に運転体験が変わったわけではない。しかし新旧を乗り比べる機会があれば、進化ぶりを感じ取れるはず。今回のサーキットでラップタイムをどの程度削れるのかは、測ってみるしかないが。

気張らず運転した時のマナーも、RS3の強み。アウディらしく落ち着いている。乗り心地は硬めだが、動的能力を考えれば納得できるもの。高速道路の速度域でも、コンフォート・モードを選んでいれば、揺れに悩まされることはない。

英国価格が5万9510ポンド(約1154万円)からだと考えると、上質とはいえない。だが、280km/hで走れるホットハッチだと考えれば、妥当なトレードオフだろう。

この四輪駆動クラスでは、ドイツ勢が激しい競争を繰り広げている。メルセデスAMG A 45にBMW M135i、フォルクスワーゲン・ゴルフ Rといずれも強敵揃いだ。しかし、今回のアップデートでRS3が訴求力を高めたことは間違いないだろう。

◯:刺激的な5気筒ターボエンジン 普段使いのしやすさ 適度に控えめでスポーティなスタイリング
△:ホットハッチとしてはお高め インテリアに驚きが少ない

アウディRS3 スポーツバック(欧州仕様)のスペック

英国価格:5万9510ポンド(約1154万円)
全長:4381mm
全幅:1851mm
全高:1430mm
最高速度:280km/h
0-100km/h加速:3.8秒
燃費:10.7-10.8km/L
CO2排出量:212-213g/km
車両重量:1640kg
パワートレイン:直列5気筒2480cc ツインターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:399ps/5600-7000rpm
最大トルク:50.9kg-m/2250-5600rpm
ギアボックス:7速オートマティック(四輪駆動)

アウディRS3 スポーツバック(欧州仕様)
アウディRS3 スポーツバック(欧州仕様)

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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