【2カ月連続で前年実績超え】2024年10月期の新車販売台数 軽自動車は消費が一巡か
公開 : 2024.11.03 06:25
2024年10月期の新車販売台数は、登録車の伸びで2カ月連続での前年実績超えを達成しました。軽自動車の前年同月比マイナスを登録車がプラス方向に引っ張った形での「前年実績越え」という内容です。
2024年10月期の新車販売台数(速報値)
日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会は、2024年10月期の新車販売台数(速報値)を発表した。
日本自動車販売協会連合会がまとめた登録車の10月期の新車販売台数は、前年同月比6.6%増の25万9132台と2カ月連続のプラス。
一方、全国軽自動車協会連合会がまとめた10月期の軽自動車の新車販売台数は、同7.2%減の14万3178台と3カ月連続でのマイナスとなる。結果として、トータルでの10月期の国内新車販売台数は同1.2%増の40万2310台と2カ月連続での前年実績超えを達成した。
登録車の10月期のブランド別新車販売台数
前年実績を下回ったのは、新車効果に一服感が出たスバル(前年同月比13.6%減の7616台)とレクサス(同8.0%減の6606台)の2ブランドのみ。
対して、トヨタ自動車は同8.5%増の13万4949台、ホンダは同7.2%増の2万9311台、日産自動車は同2.6%増の2万2362台、スズキは同19.8%増の1万1371台、マツダは同0.2%増の1万1724台、三菱自動車は同1.3%増の3588台、ダイハツは同16.9%増の2887台とプラスを成し遂げた。
一方で貨物車のブランドは、いすゞ自動車が同29.0%増の5378台、日野自動車が同80.7%増の3456台、UDトラックスが同18.4%増の945台と前年実績超えを果たしたものの、三菱ふそうは同2.9%減の2993台と苦戦した。
軽自動車の10月期のブランド別新車販売台数
前年同月比で9.1%増の4万9088台を達成したスズキが10カ月連続でのシェアトップにつく。最大のライバルのダイハツは、全車種の生産・出荷を再開したものの同15.4%減の4万4398台と伸び悩んだ。
また、新車効果が一段落したホンダは同21.1%減の2万3932台、日産自動車は同6.5%減の1万3224台とマイナスを記録。
対して三菱自動車は、同6.4%増の6129台とプラスを継続する。一方、OEM供給を受けるブランドではスバルが同13.2%増の1387台とプラスを成し遂げたものの、マツダは同4.1%減の3033台、トヨタ自動車は同19.4%減の1960台と低迷した。
10月期の動きを分析
10月期の新車販売の動向に関して業界団体の関係者は、「10月の新車販売は、ヤリス・クロスなど3車種の販売を再開するとともに、人気車の受注残の改善を図っているトヨタ自動車が登録車で3カ月ぶりのプラスを達成したこともあって、新型コロナウイルス感染拡大前の40万台レベルにまで回復した。
前月は台風10号および大雨被害の影響によってディーラーへの客足が伸びず、さらに流通網にも支障が出たため、一部の登録車の販売が10月に先延ばしされたことも、今月の販売台数の伸びにつながっているようだ。
一方、軽自動車はリバウンド消費が完全に一巡したと見られ、新型スペーシアが販売成績を押し上げたスズキと、デリカミニなどの販売が堅調な三菱自動車を除いて、多くのブランドで苦戦が続いている」と指摘する。
今後については、「新車の需要は新型車を中心に一定の水準を保っており、各ブランドも人気車の受注残の改善に注力していることから、新車販売は年末かけて堅調に推移するものと思われる。
一方、従来よりも新型車の受注台数の伸びが鈍り、合わせて好調な販売を維持する期間が短い車種が増えていることは不安要素。実質賃金が物価上昇に追いついていないことから個人消費の弱さが目立っていることも、新車販売にとってはマイナスに作用するだろう」と示唆した。