【いいクルマだったのに!】MR-S、プログレ、iQにマークXジオ!一代限りで終わってしまった名車たち:トヨタ編
公開 : 2024.11.05 11:45
ヒット作になると信じて企画、開発して、最高のマーケティングチームが後押ししても、残念ながら一代限りで終わってしまった不遇のクルマたち……。ここではそんなトヨタ車たちをご紹介します。
もくじ
ーヒット作になると信じて
ートヨタ・プログレ(1998~2007年)
ートヨタ・ブレビス(2001~2007年)
ートヨタ・マークXジオ(2007~2013年)
ートヨタ・ヴェロッサ(2001~2004年)
ートヨタMR-S(1999~2007年)
ートヨタiQ(2008~2016年)
ートヨタFJクルーザー(2006~2023年)
ーWiLL Vi(2000~2001年)
ヒット作になると信じて
トヨタは車種の宝庫だ。昔から脈々と続く車名もあるが、新たな名称のクルマも次々と登場している。それがヒット作になると信じて企画、開発して、最高のマーケティングチームが後押しする。しかし、いいクルマだったのに残念ながら一代で終わってしまったトヨタ車たちも存在する。そんな不遇なクルマを紹介しよう。
トヨタ・プログレ(1998~2007年)
キャッチコピーは『小さな高級車』。当時の資料によればスリーサイズは全長4500×全幅1700×全高1435mm(後輪駆動)の5ナンバーサイズで、ホイールベースは2780mmとクラウン並みに大きく採られている。
グレードは2JZ-GE型3.0L直6エンジンを搭載した後輪駆動の『NC300』、2.5L直6を搭載した同じく後輪駆動の『NC250』、そしてNC250の4WD版である『NC250 Four』が基本構成。インテリアにウォールナットを使用した、『ウォールナットパッケージ』なども用意されていた。
プラットフォームは8代目マークII(1996~2000年)、足まわりは10代目クラウン(1995~1999年)のものを採用。サスペンションのセッティングは快適性を重視したもので、プログレの販売ターゲット層が高級車を乗り継いできたミドル層以上であったことが想像できる。
エクステリア、インテリアのデザインは保守的とも古典的ともとれるものだが、驚くのは『セルシオ品質』を狙ったという質感の高さ。
例えばボディの塗装は全色5層コートであり、オプションの本革シートやインストゥルメントパネルの質感、走行音の静かさなど、当時、取材で実際に見て乗ってみたが、『小さな高級車』のキャッチコピーに嘘偽りがないことが理解できる。
そんなプログレが一代で終わってしまったのは、価格の高さ(当時のクラウンとほぼ同じ)が一番の理由ではないだろうか。とても真面目に作られた日本の『もてなし』を感じる高級車だっただけに、残念でならない。
トヨタ・ブレビス(2001~2007年)
『小さな高級車』がキャッチコピーのプログレがマイナーチェンジしたタイミングで登場した姉妹車、それがブレビスである。ちなみにこちらのキャッチコピーは『アクティブ・エレガンス』とされ、当時販売されて間もなかった三代目セルシオに似たエクステリアデザインを採用して登場したことが話題になった。
ボディサイズはプログレよりも若干大きく、全長4550×全幅1720×全高1460mm(後輪駆動)、ホイールベース2780mmとなっており、従って3ナンバーサイズとなる。
メカニズムはプログレと共用する部分が多い。エンジンは2JZ-FSE型の3.0L直6直噴(220ps)と1JZ-FSE型の2.5L直6直噴の(200ps)の2系統で、プログレ同様2.5Lには4WD車が用意された。
サスペンションもプログレと同じ4輪ダブルウィッシュボーン式。タイヤサイズはプログレが15インチであるのに対して16、ないしは17インチとなる。当時試乗した印象は、プログレよりも若干固めの乗り味だった。
装備も充実しており、エレクトロマルチビジョン、高級オーディオ(5.1ch対応DVDシステム)、ディスチャージヘッドランプ、パワーアジャスタブルペダル(アクセレータ/ブレーキペダルの前後電動調整)など、至れり尽くせりである。また、プログレと異なる部分として、ブレビスのATはゲート式セレクターを採用していた。
ブレビスもまた、プログレ同様に2007年に販売を終了している。プログレよりも若々しさを感じさせるエクステリア、インテリアのデザインを採用していたが、乗ってみるとごく普通のセダンの乗り味であり、もう少し、FRならではのファントゥドライブを表現できていれば、二代目誕生の可能性があったかもしれない。