【いいクルマだったのに!】MR-S、プログレ、iQにマークXジオ!一代限りで終わってしまった名車たち:トヨタ編

公開 : 2024.11.05 11:45

トヨタFJクルーザー(2006~2023年)

かつてのFJ40型ランドクルーザーを彷彿とさせるエクステリアデザインが特徴の、ミッドサイズSUV、それがFJクルーザーである。

2004年のデトロイト・ショーで『FJクルーザーコンセプト』を発表し、2006年から北米で販売が開始された。当初は北米市場専用であったが、逆輸入車が日本で大人気となったため、急遽日本仕様も開発されることとなり、2010年に日本での正規販売が開始された。その後、オセアニアや韓国市場でも販売された。

トヨタFJクルーザー(2006~2023年)
トヨタFJクルーザー(2006~2023年)    トヨタ

日本仕様のボディサイズは全長4635×全幅1905×全高1840mm、ホイールベースは2690mm。シャシーはランドクルーザー・プラドと同様にラダーフレームを採用。レトロなデザインながら本格的な悪路走破性を持ったSUVである。

エンジンは4.0LV6(276ps)で、トランスミッションは5速ATと6速MTから選べる。駆動方式は4WDと2WDが用意される。そのほか、ユニークなのが乗降用のドアだ。両サイドともセンターピラーの内観音開きを採用している。

10年以上の長きに渡り日本市場で販売されてきたFJクルーザーだが、2023年にひっそりと販売を終了した。

WiLL Vi(2000~2001年)

WiLL Viは1999年から2004年にかけて日本で行われた異業種による合同プロジェクト『WiLL』を冠する初めてのクルマ。もともと『トヨタにないカテゴリーの新コンセプトカー』として検討されていたモデルだった。

メカニズム的には初代ヴィッツのプラットフォームを使い、ボディパネルやインテリアは独自の設計で作られた。搭載されるエンジンは1.3L直4(88ps)で、トランスミッションは4速AT。駆動方式はFF(前輪駆動)車のみだ。

WiLL Vi(2000~2001年)
WiLL Vi(2000~2001年)    トヨタ

ボディサイズは全長3760×全幅1660×全高1600mmでホイールベースは2370mm。標準車とキャンバストップ仕様が発売された。エクステリアは昔の馬車を思わせる独特のシルエットを持つ。インテリアはリビングルームを意識したと言われ、和やかな雰囲気でイメージが統一されている。

日本国内のみの販売で、発売から1か月間の累計受注台数は、月間目標台数の3倍となる約4500台となった。2001年12月、発売開始からわずか2年弱で販売を終了したが、その理由についてはマーケティングの終了(成功)とのことだった。ちなみに購入者の半数は20歳代から30歳代の女性で、8割がトヨタ車を初めて購入したとのことだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    木原寛明

    Hiroaki Kihara

    1965年生まれ。玉川大学では体育会ノリの自動車工学研究部に所属し、まだ未舗装だった峠道を走りまくった。最初の愛車(本当は父のもの)は2代目プレリュード(5MT)。次がフルチューンのランサーEXターボ。卒業してレースの世界へと足を踏み入れたものの、フォーミュラまで乗って都合3年で挫折。26歳で自動車雑誌の編集部の門を叩き、紙時代の『AUTOCAR JAPAN』を経て、気が付けばこの業界に30年以上。そろそろオーバーホールが必要なお年頃ですが頑張ります!
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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