【マツダCX-80が大改善を経て登場】スポーツカー好きの20代編集部員がその真価に迫る!

公開 : 2024.11.06 07:05

スポーツカー譲りの楽しい走りを追い求めたマツダCX-60。尖りすぎた反省を生かして乗り心地を大改善したというCX-80の乗り心地やいかに? スポーツカー大好き編集部員のオゴーが体感してきました。

大幅な改良を受けた足まわり

マツダCX-60CX-80が共用しているマツダ・ラージプラットフォーム。マツダがこのラージプラットフォームで目指したのは、ダイレクトなハンドリングや高いトラクションと走破性。スポーツカー並みの高剛性なサスペンションが実現する快適な乗り心地であるという。

初出のCX-60も、きれいな舗装路ではロードスターにも通ずるようなコントローラブルなハンドリングを実現。しかし、荒い路面や大きなギャップでは、横方向への逃げが少ないサスペンション構造が災いし、突き上げ感や上下動の収束に関して否定的な意見も見参された。

CX-60で尖りすぎた反省を生かし、CX-80では大幅にサスペンションをリセッティング。
CX-60で尖りすぎた反省を生かし、CX-80では大幅にサスペンションをリセッティング。    平井大介

そこでCX-60では尖りすぎたという反省を生かし、CX-80では大幅にサスペンションのリセッティングを行ったという。その主なメニューは以下の通りで、大きく変更されている。

・バネレートと減衰力のバランスの調整
・サブフレームのブッシュを変更。前後動を許容することで衝撃を吸収
・ツッパリ感の低減のためリアスタビライザーを除去
・パワーステアリングのアシスト力を変更

運転の楽しさはCX-60譲り

今回の試乗会で最初に乗ったのはPHEVの『プレミアムスポーツ』と呼ばれるグレードで、2.5リッターの4気筒自然吸気エンジンを積むモデル。実際、運転してみるとCX-60よりはマイルドな足回りと重ための車重のおかげで、だいぶソフトな感触。

やたらスカッと回る4気筒エンジンのおかげもあり、7人乗りのSUVを操っているというよりは、イキのいい小型のスポーツハッチに乗っているかのような感覚だ。ただし、上下動の収束という点においては、バッテリーが加わった車重を調教できていない様子で、改善の余地ありといったところだろう。

マツダCX-80と、20代のスポーツカー大好き編集部員オゴー。
マツダCX-80と、20代のスポーツカー大好き編集部員オゴー。    平井大介

次に乗ったのは、直列6気筒のディーゼルエンジンを搭載するマイルドハイブリッド。全体の重量がPHEVモデルよりも軽いためか、動きもこちらの方が落ち着いており、ギャップを超えた後の収束もいくらか具合が良い。CX-60よりかは幾分マイルドであるものの、コントロール性や高速時の安定感も上々。

CX-60からのCX-80デビューまでの短期間で、これだけ足まわりの熟成が進んだのだから、ラージプラットフォームの将来には期待が募る。直列6気筒ディーゼルエンジンの音も回転上昇とともに澄んでいくので気持ちが良く、このエンジンを積んだスポーツカーがあれば……と考えてしまう。

いまは家族がいて、スポーツカーに乗ることは叶わないけれど無類の運転好き。そんな人にはこのCX-80は最高の相棒となってくれるはずだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    小河昭太

    Shota Ogo

    2002年横浜生まれ。都内の文系大学に通う現役大学生。幼いころから筋金入りのクルマ好きで、初の愛車は自らレストアしたアウトビアンキA112アバルトとアルファロメオ2000GTV。廃部になった自動車部を復活させようと絶賛奮闘中。自動車ライターを志していたところAUTOCAR編集部との出会いがあり、現在に至る。instagram:@h_r_boy_
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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