611psでサーキットへ最適化! メルセデスAMG GT 63「プロ」へ試乗 圧巻のパフォーマンス

公開 : 2024.11.17 19:05

AMG GTのサーキット・フォーカス仕様が「プロ」 4.0L V8ツインターボは611psと86.5kg-mへ強化 圧巻のパフォーマンス 感心するほどの落ち着き 比類ない運転体験だと英編集部は評価

611psでサーキット・フォーカスのプロ

メルセデスAMGの調査によれば、2+2のクーペ、GTを購入した人の多くがサーキットでの走行を希望しているという。もちろん、その殆どはプロのレーシングドライバーではない。しかし走行会へ出向き、愛車の潜在能力を解き放つ人は少なくないとか。

今回試乗したAMG GT 63 プロ 4マティック+は、まさにそんな要望へ最適化したモデル。AMGドライビング・アカデミーが開催するイベントで、思い切り楽しむために生み出された。

メルセデスAMG GT 63 プロ 4マティック+(欧州仕様)
メルセデスAMG GT 63 プロ 4マティック+(欧州仕様)

ベースになったのは、2024年前半に発売されたGT 63 4マティック+。ドイツ・アファルターバッハで組み立てられる4.0L V8ツインターボエンジンを積むが、更なるチューニングを受けている。

そもそも不足なかったものの、GT 63 プロの場合、27psと5.1kg-m増強。最高出力611ps、最大トルク86.5kg-mを獲得した。

このユニットは、プラグイン・ハイブリッドのGT 63 E-パフォーマンスと共通する。しかし重たいリチウムイオン・バッテリーや駆動用モーター、充電システムなどは搭載されない。電動アシストは得られないが、車重は1875kgに留めている。

また、サーキットでは高い負荷が想定される。これに備え、冷却系を強化するべく、フロントには2枚のラジエーターを追加。前後のディファレンシャルも、電動ウォーターポンプが組まれ水冷される。

固定式ウイングにカーボンセラミック・ブレーキ

意外にも、サスペンションは変更なし。構成は前がダブルウィッシュボーン式、後ろがマルチリンク式で、キャンバー角やブッシュ類も同じ。ステアリングラックやレシオも同一だという。

タイヤはミシュラン・パイロットスポーツS5が標準。サイズは、前が295/30 ZR21、後ろは305/30 ZR21を履く。

メルセデスAMG GT 63 プロ 4マティック+(欧州仕様)
メルセデスAMG GT 63 プロ 4マティック+(欧州仕様)

トランスミッションは、AMGの9速マルチクラッチ・オートマティック。トルク分配率を可変できる、4マティック+と呼ばれる四輪駆動が組まれ、0-100km/h加速は3.2秒でこなす。ベースとなったGTより、0.5秒も速い。

ちなみに、0-200km/h加速は10.9秒。最高速度は317km/hが主張される。

ボディ回りでは、冷却効率と安定性を高めるため、アンダーボディへ新しいフィンなどが与えられ、気流が最適化されている。フロントバンパーのエアインテークは大型化され、リアには固定式のカーボンファイバー製ウイングが載る。見た目も勇ましい。

ブレーキは、通常はオプション設定のカーボンセラミックが標準。ディスクの直径は、前が420mm、後ろが390mmという大きさを誇る。キャリパーは前が6ポッドで、後ろが1ポッド。ブレーキカバー・プレートの形状も新しく、冷却効率が高められた。

キャビンでは、+2のリアシートが省かれる。ただし、必要ならオーダー時に装備させることも可能。それ以外は、基本的にGT 63 4マティック+と共通する。内装は高品質で、存分に運転へ集中できる環境といえる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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