【ロシア生まれの武骨な四駆】戦場カメラマン・横田徹がラーダ・ニーヴァを愛車にする理由

公開 : 2024.11.10 08:05  更新 : 2024.11.10 17:28

様々な『出会い』を生み出すニーヴァの魅力

優れた悪路走破性を持ちながら、狩猟や野営の荷物がしっかり積めるなど実用性も十分なニーヴァだが、横田さんいわくもうひとつ、ニーヴァには大きな魅力があるという。

「最初にウクライナに行ったのが2022年5月でしたが、ニーヴァもウクライナ側の戦闘車両として走っていたのが印象的でした。ウクライナの人々に日本でニーヴァに乗っていることを話したら、凄く驚かれましたね。『なんで日本に住んでいるのに、ニーヴァなんて乗ってるんだ!?』って。

2022年5月、ウクライナ東部のポクロフシクにて。後ろはウクライナ軍傘下のジョージア部隊で、特殊作戦チーム。
2022年5月、ウクライナ東部のポクロフシクにて。後ろはウクライナ軍傘下のジョージア部隊で、特殊作戦チーム。    横田徹

でもそれがきっかけで話が盛り上がって、現地の方々と仲良くなれました。コミュニケーションの道具としてニーヴァが盛り上げてくれた感じです。ニーヴァはウクライナでもとても人気があります。

日本でも同じで、キャンプ場などに行くと必ず声を掛けられますね。以前、キャンプに来ていたロシア人の男の子は僕のニーヴァに大興奮で、『エンジンルームの中も見せて!』って。その子は日本で生まれているのでニーヴァをしっかり見るのは初めてとのことで、すごく喜んでくれました。

スクーターで追いかけてきたロシア人もいましたよ。『ニーヴァ、ニーヴァ!』って嬉しそうに。ロシアの人達にとってもニーヴァはすごく愛されているし、誇りなのでしょうね」

もちろん海外のみならず、ニーヴァは日本でも、かなりこだわりの強いクルマ好きな人達から興味を示されることが多いという。

実は今回、筆者が横田さんを取材させて頂いた経緯も、筆者の知人が横田さんのニーヴァをたまたま見かけて声をかけたことに始まる。そしてその知人、実は1980年代に大手商社でラーダ・ニーヴァの日本初輸入に最前線で尽力した担当者なのだ。ニーヴァとは20年近い付き合いがあった知人は、横田さんが戦場カメラマンの横田徹氏であることに最初は気づかなかったそうだが、きれいなニーヴァに思わず声をかけたそうだ。

たくさんの貴重な出会いをもたらしてくれている横田さんのニーヴァ。1日も早く、ロシアとウクライナに平和が訪れ、ロシアから普通にニーヴァの部品が輸出される日が訪れることを祈るばかりである。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。

おすすめ記事

 

人気記事