なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 前編
公開 : 2024.11.23 18:05
イノチェンティ:ミニ(1974年)
スクーターメーカーのイノチェンティは、英国のオースチンと共同で自動車製造部門を設立した。1960年代にはライセンス生産でミニの製造を開始し、1974年にはベルトーネのマルチェロ・ガンディーニがスタイリングを手がけた改良モデルを発表した。ベルトーネは、イタリアの新星アウトビアンキA112に対抗するため、ミニをよりモダンなデザインと実用的なハッチバックに仕上げた。
イノチェンティ・ミニは何度か改良され、1985年にはエントリーレベルの2気筒エンジンがラインナップに加わった。内外装を何度かアップデートしたものの、やがて時代遅れとなり、1993年に引退した。
では、イノチェンティはどうなったのか?
1990年代、フィアットはイノチェンティとマセラティをデ・トマソから徐々に引き継いだ。イノチェンティの工場は閉鎖され、ブラジル生産の第2世代ウノをイタリア製モデルよりも安い価格で販売するミッレのような一連のバッジエンジニアリング車が与えられた。フィアットは1997年にイノチェンティを廃止し、現在はステランティスがその名称を所有している。
ジェンセン:インターセプター(1966年)
ジェンセン・インターセプターは、アストン マーティンなどの典型的な英国製グランドツアラーに代わる選択肢であった。鋭いハンドリングやランニングコストよりも、シルキーでスムーズな低速トルクを重視する層をターゲットにしていた。ジェンセンが財政難の重荷に耐えかねて破綻したとき、後継が現れることなくその歴史は幕を閉じた。
では、ジェンセンはどうなったのか?
ジェンセンは1976年に事業を停止した。2001年にS-V8という新型車で一時的に復活したが、わずか20台が生産されただけで、すぐにまた消滅した。