なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 後編
公開 : 2024.11.23 18:25
サンビーム:タイガー(1964年)
1901年に設立されたサンビームは、1935年以降姿を消したが、1953年に復活してアルパインを投入した。1950年代の米国におけるオープントップ・スポーツカーブームに完璧にタイミングが合うものだった。
さらなる高出力化を模索していたサンビームは、キャロル・シェルビー氏の協力を得て、最高出力164psのフォード製4.3L V8エンジンを搭載したタイガーを開発。アルパインの2倍のパワーを持ちながら、車重はわずかに重くなっただけで、3年で7000台以上を販売する大ヒットとなった。
では、サンビームに何が起こったのか?
すでにルーツ・グループの一員であったルーツは、クライスラーに吸収され、さらにプジョーに買収された。サンビームの名前は1981年に消滅した。
タトラ:613(1974年)
ポルシェの911と同様、タトラ613は、リアエンジンというすでに廃れた構造を維持していた。先代の603と共通の構成だが、スタイリングは白紙の状態で生まれた。チェコスロバキアに本拠を置くタトラは、イタリアのヴィニャーレの協力を得て、より時代にマッチした新しいデザイン・アイデンティティを作り上げたのだ。
タトラ613は、ソビエト時代の東欧から生まれた最も格調高いクルマの1つとして記憶されている。KGBやワルシャワ条約機構に属する組織のお気に入りだったため、夜中に自宅の前に停まっているのを見たくはなかっただろう。
では、タトラはどうなったのか?
タトラという会社自体は1850年に設立され、はじめは馬車を生産していた。1999年に乗用車の生産を終了したが、小規模ながらトラックメーカーとして存続しており、プジョーに次いで欧州で2番目に古い自動車メーカーとなっている。
タルボ:サンバ・カブリオレ(1982年)
タルボ・サンバ・カブリオレは、欧州最廉価クラスのサンバをベースとするオープントップモデルであり、主に若いドライバーをターゲットとした。また、プラットフォームを共有するプジョー104やシトロエンLNAから距離を置くことで、タルボブランドに独自のイメージを与えようとした。
では、タルボはどうなったのか?
1979年にPSAがクライスラー・ヨーロッパを買収した際、クライスラーとシムカのモデルにタルボのバッジを使用した。タルボの名は1987年まで乗用車に、1994年まで商用車に使用された。