トヨタが新型MR2、セリカ、スープラ導入を示唆 公式アニメ『GRIP』に隠されたヒントとは

公開 : 2024.11.06 06:25

トヨタが公開しているオリジナルアニメ『GRIP』のあるシーンで、MR2やセリカ復活を匂わせるような表現があった。新型スポーツカーが近々登場する可能性も否定できない。

公式アニメで復活をほのめかす表現

トヨタは、GR86とGRスープラに加え、MR2とセリカの復活を準備していることを、これまでで最も強く示唆した。

トヨタの自主制作アニメ『グリップ(GRIP)』の最近のエピソードで、スープラMk6、セリカMk8、MR2 Mk4、GR86 Mk3、GR GT3といった、未発表のクルマの名前が書かれたホワイトボードが短時間映し出された。

トヨタMR2
トヨタMR2

注目すべきは、このホワイトボードとともに、主人公たちを導くキャラクター、マスター・ルグが描かれていることだ。

GRIPはトヨタのオリジナルアニメで、今年2月よりトヨタUSAのオフィシャルサイトやYouTubeチャンネルで配信が始まった。現時点で2シーズン全10話が公開されている。近未来における人間のドライバーと自動運転車との戦いを描くという内容で、GRカローラやGRスープラなどが繰り広げる激しいレースが見どころだ。

問題のホワイトボードは、シーズン2エピソード1『Who’s Next』の冒頭から48秒あたりで登場する。1秒も映らない短いカットだが、5台のスポーツカーの車名がはっきりと確認できる。

ここに書かれたような新型スポーツカーはまだ正式発表されていないが、トヨタがガズー・レーシング(GR)シリーズのラインナップ拡大を目指している中、こうしたシーンは視聴者に期待をもたせるものだ。

GR設立の立役者であるトヨタの豊田章男会長は以前、セリカ、MR2、スープラの「3兄弟」を復活させる意欲を語っていた。

以前にも報じられたように、トヨタは現在、「さまざまな可能性」を秘めた新しいEV用プラットフォームを利用して、新型セリカの導入可否を検討している。

このプラットフォームの鍵となるのは、スポーツカーらしいスタンスを実現する低いシート高だ。昨年のジャパン・モビリティショーで公開されたFT-Seコンセプトのシート高は、ポルシェ718ケイマンより75mm低い。そのデザインは3つのモジュールに分割され、フロントとリアエンドはシングルピースで構成されている。

新プラットフォームは、FT-Seコンセプトをベースにした、MR2の精神を受け継ぐ2シーター・スポーツカーにも使用される。しかし、MR2の名前が復活するとは限らない。

『ベストカー』誌は今年初め、2015年に公開されたS-FRコンセプトの開発が始まったと報じた。そのエンジンはミドシップではなくフロントに搭載されるだろうが、それでもマツダロードスターと肩を並べるトヨタの小型スポーツカーとして、MR2のポジションを奪う可能性はある。

トヨタは次期型スープラについてまだ公に語っていないが、現行車が2019年に発売されたことを考えると、今後3~4年以内に登場する可能性が高い。

一方、GR86は欧州の新しい衝突安全規制と排出ガス規制を満たすために改良を受ける予定で、GRヤリスに搭載される3気筒ターボのハイブリッド化バージョンが採用される見込みである。

2023年に英国で開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、トヨタの技術責任者(CTO)を務める中嶋裕樹副社長はAUTOCARの独占インタビューに応じ、GR86のハイブリッド化の計画については明言を避けたが、そのようなクルマは「良いアイデア」だと語った。

GR GT3は2022年にコンセプトモデルとして発表されたスーパーカーだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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