スズキ、ジムニーのEV化・ハイブリッド化を否定 重量増で「良さが失われる」

公開 : 2024.11.06 18:05

スズキ・ジムニーが電動化される可能性は低そうだ。社長はジムニーの強みである「重量」が台無しになってしまうとして、電動化の計画はないと示唆した。

新型EV発表会で発言

スズキの鈴木俊宏社長は、ジムニーを電動化すれば「台無しになる」として、EV化やハイブリッド化の計画はないことを示唆した。

ジムニーは1970年の発売以来、世界各地で根強い人気を誇っており、2018年には第4世代が登場してカルト的な人気を博した。

スズキ・ジムニーは欧州では排ガス規制の影響で商用車仕様のみが販売されている。
スズキ・ジムニーは欧州では排ガス規制の影響で商用車仕様のみが販売されている。

しかし、欧州では排ガス規制の影響で2020年に販売が中止された。現在は乗用車ではなく商用車(LCV)としてのみ購入できる。ユーザーからは乗用車の復活を望む声も上がっているが、現実には電動パワートレインでなければ復活は難しい。

以前公開されたスズキの次世代EVラインナップの予告画像で、ジムニーにそっくりのシルエットが確認されたとき、大いに期待が高まった。また、ハイブリッド車の登場も以前から噂されていた。

しかし、同社初のEVである新型eビターラの発表会(イタリア・ミラノで開催)で記者団に語った鈴木社長は、あらゆる憶測を打ち消すような発言をした。「ジムニーのEVの話をしたら、ジムニーの一番いいところが台無しになると思う。ジムニーの核となる強みは、適度な重さだと思う」

その代わりに、鈴木社長はジムニーの「プロフェッショナル」路線を継続することに注力したいという。「プロフェッショナルのための道具としてジムニーを市場に提供し続けたいのであれば、エンジンの技術を活用したeフューエルやバイオ燃料が、将来的にジムニーを支えるための方法になるかもしれない」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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