フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ

公開 : 2024.11.20 19:05

プジョー508の高性能プラグインHV版「PSE」 乗り心地と操縦性のバランスに長けた505 好奇心旺盛なクルマ好きが選ぶ存在 フランス人スター選手と一緒な気分 英編集部が評価

好奇心旺盛なクルマ好きが選ぶ存在?

久しく、プジョー505は目にしていなかった。新車時代には100万台以上が売れたが、錆びやすいボディと積極的な買い替え戦略で、グレートブリテン島での生存数は少ない。

発売から6年目を迎えた508も、頻繁に目撃するわけではない。しかも、バッテリーEVへの積極的な転換によって、英国では最近に販売が終了している。こちらも、徐々に珍しい存在へなっていくはず。

グレーのプジョー508 PSEと、ブラウン・シルバーのプジョー505 GTi
グレーのプジョー508 PSEと、ブラウン・シルバーのプジョー505 GTi

この土地で販売された508は、合計7000台ほど。その内、今回のプジョー・スポール・エンジニアード(PSE)仕様は155台だけ。美しいファストバックボディをまとうのは、さらに30%へ留まる。

同じ時期に、BMW 3シリーズは数万台という規模で売れている。小さくないフランス車は、2024年でも好奇心旺盛なクルマ好きが選ぶ存在なようだ。独創的な個性ゆえに。

508 PSEは、ブランドとしては珍しく、高性能であることを主張する。筆者の記憶の限り、ここ数年のプジョーへ「スポーツ」と関係する文字が与えられたことはなかった。1980年代の505 GTi以来、初めてではないだろうか。

今回ご登場願ったブラウン・シルバーの1台は、1983年式。オーナーはジョン・イヤーロン氏だ。祖父が新車で購入し、家族で乗り継いできたという。父がこの世を去り、彼が本格的にレストア。定期的に自動車イベントへ参加している。

イヤーロンは、息子の送迎に505 GTiを利用している。次世代へ受け継ぐ準備は、順調に進んでいるらしい。

量産プジョーで最速の508 PSE

505シリーズは、欧州では1978年から1992年まで生産された。世界各国の工場で作られ、優れた耐久性で多くの人から愛されてきた。

GTiより速い、ターボエンジンやV6エンジンの505も存在した。それでも、この3文字には特別な気持ちを抱いてしまう。2.2L 4気筒エンジンの最高出力は129psで、最大トルクは19.1kg-m。量産プジョー最後の、後輪駆動モデルとなる。

プジョー505 GTi (1983年式/英国仕様)
プジョー505 GTi (1983年式/英国仕様)

他方、508 PSEは量産プジョーで最速。1.6L 4気筒ガソリンターボエンジンに、2基の電気モーターが組まれたプラグイン・ハイブリッドで、360psと52.9kg-mを発揮する。
0-100km/h加速は5.2秒で、505 GTiの約半分の時間でこなす。

アダプティブダンパーの付くサスペンションとブレーキ、タイヤは、上昇した動力性能に合わせて強化済み。EVモードを指定すれば、リアアクスル側の駆動用モーターだけで走行可能。111psに限定されるものの、後輪駆動のプジョーを久しぶりに楽しめる。

PSEのシャシーは、高回転域で発揮されるパワーをしっかり受け止める。期待するほど速いわけではなく、落ち着いた雰囲気を大きく乱すこともないが。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブン・ドビー

    Stephen Dobie

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジョン・ブラッドショー

    John Bradshaw

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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