2025年モデルがラスト? 愛と青春のGT-R【新米編集長コラム#7】

公開 : 2024.11.10 12:15

8月1日よりAUTOCAR JAPAN編集長に就任したヒライによる、新米編集長コラムです。編集部のこと、その時思ったことなどを、わりとストレートに語ります。第7回は前回壮大な前置きを書いた、2025年GT-Rの話です。

近づく約四半世紀のエンドロール

GT-Rである。もちろん今回のコラムのテーマだが、その選択理由は前回壮大な前置きとして書かせて頂いたので、いきなり本題に入ることにしよう(気になる方は下にスクロールして、前回のコラムをご覧ください)。

日産GT-Rの2025年モデルは、今年の3月14日に発表された。その特徴は以下のとおりだ。

今年の3月14日に発表された日産GT-Rの2025年モデル。
今年の3月14日に発表された日産GT-Rの2025年モデル。    平井大介

・『プレミアムエディション』に、青を基調とした専用特別内装色『ブルーヘブン』を新設定
・『プレミアムエディションTスペック』と『トラックエディション・エンジニアードbyニスモTスペック』のピストンリング、コンロッド、クランクシャフトなどに、今まで『ニスモ・スペシャルエディション』のみに採用していた、高精度重量バランス部品を採用。レスポンスの精度を高めた
・この2モデルには、赤文字で匠の名が刻まれたアルミ製ネームプレートと、ゴールドのモデルナンバープレートを、新たにエンジンルーム内に採用

価格帯は1444万3000円~2289万1000円と、随分遠い世界に行ってしまったが、モデル概要や台数を考えれば、これでも安いという見方もある。最終モデルになるかは明言されず、もしかしたらさらにラストの限定車もあり得るが、約四半世紀続いたそのヒストリーは、間違いなくエンドロールが近づいているというのが業界の予想だ。

ヘタなSUVよりも乗り心地がいい

さて、日産自動車の地下駐車場で対面した2025年モデルは、『プレミアムエディションTスペック』だった。ボディカラーはアルティメイトシルバーだ。

乗り込むと、タイトなシート、メーターと一体化され上下方向のみ動くステアリング、メーターまわりのカーボン、ショートなシフトノブ、3連の調整スイッチなど、次から次へと目に飛び込んできて、おお、と気が引き締まる。

2025年モデルは一部に、赤文字で匠の名が刻まれたアルミ製ネームプレートを追加。
2025年モデルは一部に、赤文字で匠の名が刻まれたアルミ製ネームプレートを追加。    平井大介

ノーズを擦るのが怖くて、そろりそろりと駐車場の坂道をあがり、地上へ出た。恐る恐るアクセルを踏んでいるから、当然ながら動きも重い。低~く唸りながら、GT-Rはゆっくりと走り出す。

それまで普通のSUVに乗っていたせいもあり、ステアリングは重いというか、しっかりと手ごたえがある。スケジュールの都合上、そこから一気に120kmくらいを走ることになっていて、これで長距離はキツいか? と思いきや、わりと早めの段階で、ヘタなSUVよりも乗り心地がいいと驚いた。正確には足の処理、収まりがよくて、長年作ってきた熟成を感じさせるではないか。

運転席から見ると、ボンネットが意外と盛り上がっていることに気が付いた。武骨なイメージとは異なる、流麗さすら感じる。そしてボンネットの下には、『VR38DETT(3.8LV型6気筒DOHCツインターボ)』! 前回書いた我が家にあったY31型グロリア・グランツーリスモの『VG20E(2リッターV型SOHC6気筒)』とは、記号性からして段違いだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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