【スポーツカーの宝庫!】S2000、ビート、CR-ZにS-MX!一代限りで終わってしまった名車たち:ホンダ編

公開 : 2024.11.12 12:15

ホンダCR-Z(2010~2017年)

CR-Zは1.5L『i-VTEC』エンジンとホンダ独自のハイブリッドシステム『IMA』を組み合わせ、先進的で躍動感のあるデザインに、俊敏で爽快な走りと25.0km/Lの優れた燃費性能を融合したコンパクトスポーツカーである。

CR-ZをCR-Xの後続車と思われる方もいるだろう。確かに後席には大人が座るには小さいながらシートを備えた2+2シーターのコンパクトスポーツカーであり、エクステリアデザインにも共通する部分が感じられる。

ホンダCR-Z(2010~2017年)
ホンダCR-Z(2010~2017年)    ホンダ

だが、CR-Zの車名は『コンパクト・ルネッサンス・ゼロ』の略。従来のクーペの価値にとらわれず、新しいコンパクトカーを創造するという志のもと、原点(ゼロ)に立ち返ってチャレンジする、という意を込めたそうだ。

この当時のハイブリッドカーとしては世界初となる6速MTを設定、CVT車にはパドルシフトを採用した。専用サスペンション、ボディの軽量、高剛性化、徹底した空力処理などにより実現した、俊敏かつ安定感のあるハンドリング。当時、特に6速MT車を運転すると本当に愉しかったのを覚えている。価格も上級モデルのαで250万円(消費税込み)を切るなど、魅力に溢れていた。

ホンダS-MX(1996~2002年)

ホンダが1990年代後半に自社のミニバン、RV車で展開していた『クリエイティブムーバー』シリーズ。第一弾がオデッセイ、第二弾がCR-V、第三弾がステップワゴン、そして第四弾がS-MXである。

S-MXはステップワゴンのプラットフォームを使い、リアオーバーハングを短縮。リアドアはヒンジ式となり、右ドア1枚、左ドア2枚の非対称構成となっている。乗車定員は4人または5人で、4人乗りは前後ともベンチシート。このベンチシートは前後とも倒すと、ほぼフラットな状態にすることができた。

ホンダS-MX(1996~2002年)
ホンダS-MX(1996~2002年)    ホンダ

メカニズムもステップワゴンのものを多く使う。エンジンはB20B型2.0L直4(130ps。マイナーチェンジで140psにパワーアップ)でトランスミッションは4速コラムAT。4WD車も用意された。サスペンションはフロントがストラット、リアがダブルウィッシュボーンだ。

若者の間で人気となったのが、『LOWDOWN』。標準車より15mm車高がダウンされており、エアロパーツやスポーツマフラーも標準車とは異なる、ちょっとヤンチャな仕様だ。乗り心地も結構ハードなものであった。

S-MXに直接的な後継車はなく、ステーションワゴンやその後、次々とデビューする新型車に後継を譲る形となった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    木原寛明

    Hiroaki Kihara

    1965年生まれ。玉川大学では体育会ノリの自動車工学研究部に所属し、まだ未舗装だった峠道を走りまくった。最初の愛車(本当は父のもの)は2代目プレリュード(5MT)。次がフルチューンのランサーEXターボ。卒業してレースの世界へと足を踏み入れたものの、フォーミュラまで乗って都合3年で挫折。26歳で自動車雑誌の編集部の門を叩き、紙時代の『AUTOCAR JAPAN』を経て、気が付けばこの業界に30年以上。そろそろオーバーホールが必要なお年頃ですが頑張ります!
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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