【スポーツカーの宝庫!】S2000、ビート、CR-ZにS-MX!一代限りで終わってしまった名車たち:ホンダ編

公開 : 2024.11.12 12:15

ホンダ・ロゴ(1996~2001年)

ロゴは二代目シティの後継にあたる、ホンダのタウンカーである。シティと言えば折りたたみ式小型バイクのモトコンボが積めて、ターボモデルもあった初代を思い浮かべる方が多いと思う。だが二代目は全高が低いスタイル重視のコンセプトで、ジムカーナなど競技車両のベースとしては人気があった反面、一般ユースでは実用性に欠け、販売面では苦戦を強いられた。

その反省もあって新たに生まれたコンパクトカーがロゴである。ボディスタイルは5ドアと3ドアのハッチバックがあったが、後者は欧州のコンパクトカーにも通じる、いい意味での素っ気なさを感じさせた。事実、このクラスとしては室内も広く、実用性に富んでいた。

ホンダ・ロゴ(1996~2001年)
ホンダ・ロゴ(1996~2001年)    ホンダ

また量販グレードのオートマチック車で100万円を切る価格設定や、ホンダ・マルチマチック車で10.15モード燃費18.0km/Lを達成するなど、高い経済性も実現されていた。

エンジンは2500rpmで最大トルクを発揮する1.3L直4SOHC(66ps)で、トランスミッションは5速MT/3速AT/ホンダ・マルチマチック(CVT)の3タイプを設定していた。

走りは静粛性の高さと優れた乗り心地を謳っていたが、高速域での安定性不足やコーナーでのロールの大きさを指摘する声もあった。改良に次ぐ改良でユーザーの声に応えたが、2001年、後継のフィットに役目を託すことになった。

ホンダ・エディックス(2004~2009年)

3座×2列の6座を独立させ、前後のセンターシートにロングスライド機構を持たせるV字シートレイアウトを採用。フロントセンターシートは子供の乗車も考慮し、万一の衝突時の安全性とドライバーの操作性への影響を徹底検証し、シートのスライド位置を設定。270mmという長いスライド量により、チャイルドシートを装着した際の子供の乗車に対応するとともに、隣の人と肩をずらす形で、快適な横3人掛けを実現していた。

また、3×2のレイアウトを活かし、4285mmという短い全長ながら6名乗車時でも439Lのラゲッジスペースを確保。さらにリアシートをすべて格納すれば、前席に3名乗車しながらMTBを3台も積載可能なラゲッジスペースが出現した。

ホンダ・エディックス(2004~2009年)
ホンダ・エディックス(2004~2009年)    ホンダ

シャシーはワイドトレッドであり、乗員すべてがホイールベース内に収まるため、前後荷重の変化は少ない。バランスが良いという3×2パッケージの特徴を活かし、優れた操縦安定性としなやかな乗り心地を実現した。

エンジンは発売当初は2.0L DOHC i-VTEC(156ps)と1.7L VTEC(130ps)の2種類の設定だったが、2006年のマイナーチェンジで1.7Lが廃止され、新たに2.4L DOHC i-VTEC(162ps)が加わった。

そんなエディックスは全幅が広いと言っても1795mmに過ぎず、最小回転半径4.9mと小回りが利くので、狭い道でも個人的には扱いにくさはなかった。車内のV字型レイアウトは前席と後席の乗員の間でコミュニケーションが弾んだが、一代限りで販売を終了してしまった。後継はフリードと言うことになるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    木原寛明

    Hiroaki Kihara

    1965年生まれ。玉川大学では体育会ノリの自動車工学研究部に所属し、まだ未舗装だった峠道を走りまくった。最初の愛車(本当は父のもの)は2代目プレリュード(5MT)。次がフルチューンのランサーEXターボ。卒業してレースの世界へと足を踏み入れたものの、フォーミュラまで乗って都合3年で挫折。26歳で自動車雑誌の編集部の門を叩き、紙時代の『AUTOCAR JAPAN』を経て、気が付けばこの業界に30年以上。そろそろオーバーホールが必要なお年頃ですが頑張ります!
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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