8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性

公開 : 2024.11.21 19:05

登場から8年目を迎えた小さな成功作、アウディQ2 直線基調の面構成 ハッチバックへ近いシルエット 車内空間は期待ほど広くない 落ち着いた操縦性に硬めの乗り心地 英編集部が評価

8年目を迎えた小さな成功作:Q2

2016年に発売されたQ2は、多くの新規顧客をアウディへ導いた成功作。既に8年目を迎え、お手頃な中古車も市場には出回っている。同時に、レクサスLBXミニ・カントリーマンなどによる世代交代で、経過した月日を隠しきれないことも事実だ。

とはいえ、市街地でも高速道路でも、Q2は扱いやすく快適。装備も充実している。

アウディQ2(英国仕様)
アウディQ2(英国仕様)

英国の場合、選択できるエンジンは、3気筒で115psの1.0Lと4気筒で150psの1.5Lという、2種類のガソリンターボ。前者は30 TFSI、後者は35 TFSIを名乗る。ディーゼルは導入されていない。

トランスミッションは、30 TFSIでは6速マニュアルのみ。35 TFSIでは、7速デュアルクラッチ・オートマティックも指定できる。

2021年にフェイスリフトを受けており、トリムグレードはスポーツとSライン、ブラックエディションの3択。アウディ最小のSUVとなるが、全長は4208mm、全幅1794mmと、そこまで小さいわけではない。

実は、更に小さいQ1というモデルも計画にはあったという。しかし、フォルクスワーゲン・グループのMQB A1プラットフォームの都合で、実現していない。Q3が基礎骨格とするのは、MQB A2。フォルクスワーゲン・ティグアンも同様だ。

英国価格は、30 TFSIで約2万8000ポンド(約543万円)から。35 TFSIで7速ATのブラックエディションでは、約3万5500ポンド(約689万円)へ上昇する。

直線基調の面構成 ハッチバックに近いシルエット

エンジンは、共通して横置き。パワーステアリングは可変レシオの電動機械式で、切り込んでいくほど、ダイレクト感が増していく。トルクの半分をリアアクスルへ伝えることができる、四輪駆動のクワトロも設定される。

サスペンションは、前輪駆動ではリアがトーションビーム式。だが、クワトロではマルチリンク式へアップグレードされる。アダプティブダンパーはオプションだ。

アウディQ2(英国仕様)
アウディQ2(英国仕様)

スタイリングは、新鮮味が薄れたものの、定期的なアップデートで古びてはいない。折り目がしっかりついた直線基調の面構成が与えられ、好ましいと感じる人は多いはず。シングルフレーム・グリルは八角形で、存在感が強い。

リアまで伸びやかに続く、面取りされたショルダーラインが印象的。太いリアピラーはボディと異なるカラーに塗られ、快活な雰囲気を生んでいる。

テールゲートは強く傾斜し、プロポーションはハッチバックに近い。テールライトが大きく、後ろ姿も記憶に残るものだと思う。

日常での気使いが軽減される、未塗装のフェンダートリムやアンダーガードを得られるのは、ベーシックなスポーツだけ。それ以上のグレードでは、ボディ色に塗装される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    キースWRジョーンズ

    Keith WR Jones

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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