アウディ e-トロンGTの最強仕様 RS パフォーマンスへ試乗 0-100km/h 2.5秒! 925psでも差別化は難しい
公開 : 2024.11.16 19:05
アウディの電動サルーン、e-トロンGTがアップデート RS パフォーマンスはローンチコントロールで925ps 0-100km/h加速2.5秒 S e-トロンGTとの違いは限定的 英編集部が評価
もくじ
ーツインモーターで925ps 0-100km/h加速2.5秒
ーS e-トロンGTとの違いは限定的 エアサスが標準
ー優秀な電動サルーン 付加価値を与える難しさ
ーアウディRS e-トロンGT パフォーマンス(英国仕様)のスペック
ツインモーターで925ps 0-100km/h加速2.5秒
ローンチコントロール時に限られるが、アウディe-トロンGTの最強仕様、RS パフォーマンスの最高出力は925psだ。ポルシェ・タイカンがアップデートを受けているが、同等の技術改良が、兄弟モデルといえるこちらにも施された。
駆動用バッテリーは、84.0kWhから97.0kWhへ増量。電費が改善されたほか、急速充電も最大270kWから320kWへ引き上げられた。そして、先述のパワーアップも果たしている。
筆者が感服したのは、925psをいとも簡単に召喚できること。基本的にはアクセルペダルを踏み込むだけで、0-100km/h加速を2.5秒で処理してしまう。テスラ・モデルS プレイドとタイカン・ターボSに並ぶ、驚異的な動力性能といえる。
その全力加速には言葉を失う。立ち並ぶ街路樹があっという間に後方へ流れていく、という優しいものではない。まさに、息を呑むほど凄まじい。余りの加速Gで、呼吸が困難になるほど。
筆者は、モデルS プレイドで相当なインパクトを感じたが、恐らくこんな体験が初めてだったからだろう。また、比べればRS e-トロンGT パフォーマンスで興奮度が低いのは、制御がより緻密なことが影響しているように思う。
今回はアスファルトが僅かに湿っていたが、タイヤは軽く路面をひっかきつつ、極めて安定的に突進してみせた。ステアリングホイールはコミュニケーションを取りやすく、しっかり操れるという安心感も伴う。
S e-トロンGTとの違いは限定的 エアサスが標準
ただし、僅かに穏やかなS e-トロンGTとの違いは、加速体験以外では限定的。そもそも、592psでも驚くほど速い。ローンチコントロール時は、679psを得られる。RS e-トロンGT パフォーマンスは、通常でも747psを引き出せるが。
確かに、一層の大パワーをリアタイヤへ伝えることは可能。オーバーステアでリアを流しつつ、貪欲にヘアピンカーブを脱出していける。それでも、S e-トロンGTもバランスに優れ、爽快にコーナリングできることは事実だ。
サスペンションは基本的に共通で、エアスプリングが標準。市場によって設定は異なるが、約2万3000ポンド(約446万円)の追加でフォアシュプルング・グレードを指定すれば、アクティブライドと呼ばれるシステムへアップグレードもできる。
このアクティブライドは、不気味なほど路面の不整を吸収。特に、波長の長いうねりなどは、感動するほど均してみせる。ボディロールも抑えられ、カーブをどんな速度でも曲がれそうに感じてしまう。一方、細かな振動は期待ほど吸収されないようだ。
今回は、走り慣れたグレートブリテン島中南部、オックスフォードシャー州の公道へ挑んだが、システムの処理が追いつかない場面があり、ごく稀に不安定さも垣間見られた。高い金額を積んで装備する必要性は、そこまで高くないかもしれない。