燃費と運転体験の両立 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTEへ試乗 電気で最長130km走れるHV!

公開 : 2024.11.22 19:05

プラグインHV版のGTIが目指された「GTE」 マイチェンで大きく変化したインテリア システム総合で271psへ上昇 電気だけで最長130km走行可能 経済性と運転体験の両立 英編集部が評価

マイチェンで大きく変化したインテリア

複数の選択肢があるフォルクスワーゲン・ゴルフの中でも、GTEは興味が惹かれる存在の1つ。プラグイン・ハイブリッド版のGTIが目指されており、実際にこれまでも走りにコダワリを持つドライバーの期待へ応えてきた。それは、8代目でも変わらない。

フォルクスワーゲンは、ゴルフを2024年にマイナーチェンジ。8.5代目と呼べる進化を果たしているが、GTEにも印象的な改良が施されている。英国価格は、4万300ポンド(約782万円)からに設定された。今回は、その実力を確認してみたい。

フォルクスワーゲン・ゴルフ GTE(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ GTE(英国仕様)

他のゴルフと同様に、スタイリングにも僅かに手は加えられたが、インテリアは大きく進化したことを実感させる。ダッシュボード上には12.9インチのタッチモニターが鎮座し、バージョンアップしたインフォテインメント・システムが稼働する。

ステアリングホイールには、実際に押せるハードボタンが復活。反応の鈍い、タッチセンサーは交代となった。車内が居心地のいい空間であることに、変わりはない。

装備は充実している。キーレスエントリーやオートヘッドライト、バックカメラなどが、ゴルフ GTEには標準で付いてくる。

歴代最強のプラグインHV ゴルフ 電気で最長130km

エンジンは1.4Lガソリンターボから、1.5Lガソリンターボへ更新。109psを発揮する駆動用モーターが、頼もしいアシストを加える。

システム総合での最高出力は、従来の245psから271psへ上昇。約10%も増強された。これにより、歴代最強のプラグイン・ハイブリッド・ゴルフになった。

フォルクスワーゲン・ゴルフ GTE(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ GTE(英国仕様)

駆動用バッテリーは6.4kWhも容量が増え、19.4kWhに。エンジンを回さず、電気だけで最長130kmを走れると主張される。普段使いなら、ほぼガソリンを燃やす必要がない、という人もいらっしゃるだろう。

この距離は、メルセデス・ベンツAクラスの250eで走れる距離の約2倍。最長141kmを電気だけで賄える、経済性重視のアウディA3 TFSIeやゴルフ eハイブリッドへ、迫るほどの能力でもある。

従来の充電速度は3.6kWまでだったが、アップデート後はDCで40kWにまで対応。容量が増えた駆動用バッテリーを、短時間で満たすこともできる。

GTEでは、パワートレインの制御をEモードかハイブリッド・モードから選択できる。前者は、基本的に109psの駆動用モーターだけでゴルフを走らせるモード。発進加速は活発で、即座に立ち上がるトルクを活かし、キビキビと市街地を駆け回れる。

バッテリーEVのフォルクスワーゲンID.3ほど、元気に加速するわけではない。それでも、普段使いで不満を感じることは殆どないはず。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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