喜びに満ちた「カニ目」の兄弟 MGミジェット/オースチン・ヒーレー・スプライト UK版中古車ガイド(1)

公開 : 2024.11.30 17:45

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学生時代の友人が乗っていたのがきっかけだという、MGミジェットのオーナー、キングスリー・ベック氏。「車内から見た時の、フロントフェンダーのラインを一発で気に入りました」

「それから自分のミジェットを、初めてのクルマとして1968年に購入しています。1964年式で、サビていて、フロントアクスルのキングピンが外れている状態でした。衝突の跡もありました」

MGミジェット(1961〜1980年/英国仕様)
MGミジェット(1961〜1980年/英国仕様)

「今回のクルマは1961年式で、走行距離は12万8000kmほど。沢山の歴史が詰まった、生き残りの1台です。8年前に2度目のレストアを受けているようですが、ボディシェルはオリジナルのまま。クリッパー・ブルーという色は、年式とは一致しませんけどね」

「シンプルに、運転が素晴らしい。ロータス・コルティナやMGA、ミニ・クーパー S、フォード・シエラ RSコスワースなども所有していますが、ミジェットはずっと残しておきたいと思っています。いつも期待を裏切りません」

英国で掘り出し物を発見

MGミジェット 1500(英国仕様)

登録:1980年式 走行:14万2900km  価格:8395ポンド(約163万円)

前オーナーによってレストアされたばかりだという、後期型のMGミジェット。最終の特別仕様、500台限定のアニバーサリー・エディションということで、通常のモデルより価値があると考えていい。

インテリアも含めて、グロスブラックでコーディネートされている。ボディカラーのおかげで、ポリウレタン・バンパーも目立たない。クラッチやブレーキ、エンジンヘッドなどは交換済み。ロスタイル・ホイールとタイヤは新品だという。

MGミジェット Mk3(英国仕様)

登録:1973年式 走行:2万9900km  価格:1万750ポンド(約209万円)

真紅のボディが美しい、Mk3のミジェット。1275ccエンジンは、1301ccへボアアップされ、ハイカム化とバランス取り加工を受けている。状態はかなり良好と主張され、インテリアの状態も悪くなさそうだ。シートやカーペットは新調されている。

ボディには塗装の浮きが若干見られるものの、すぐに楽しい運転体験を与えてくれる可能性が高い。エンジン・チューニングのレポートが詳細に残り、整備履歴も整っている。

この続きは、MGミジェット/オースチンヒーレー・スプライト UK版中古車ガイド(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マルコム・マッケイ

    Malcolm Mckay

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジェームズ・マン

    James Mann

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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