エリーゼを「徹底」レストモッド! アナログ・オートモーティブ・スーパースポーツへ試乗 ローバーKは維持

公開 : 2024.11.25 19:05

ロータス・エリーゼ S1を徹底的にレストモッドしたスーパースポーツ 車重は699kg ホットカムの効果が現れる5000rpm 本来とは異なる楽しさ 高負荷時に顕になる魅力 英編集部が評価

ロータス・エリーゼ S1を徹底レストモッド

特別なエンジンやサスペンションを組んで、スポーツカーを徹底的に改造するには、小さくない予算が必要になる。しかし25年前の小さなモデルへ、10万ポンド(約1940万円)以上の予算を投じるには、相応の勇気も必要になる。

価格を納得させるのは、多くの場合、ブランド力だ。グレートブリテン島南部、ウェスト・サセックス州に拠点を置くアナログ・オートモーティブ社のことを、ロータス・エリーゼ・マニアなら一度は耳にされたことがあるかもしれない。

アナログ・オートモーティブ・スーパースポーツ(英国仕様)
アナログ・オートモーティブ・スーパースポーツ(英国仕様)

経営者のステファン・ドブケ氏は、エリーゼ S1を得意とするメカニックだった。彼のことを知らなくても、数分も運転すれば、スーパースポーツのレストモッド価格にうなずけるのではないだろうか。

ご覧の通り、エリーゼ S1がベース。アルミニウム製タブシャシーは、全体が露出する状態までバラし、腐食した部分は修正され、酸化を完全に止める処理が施されている。

リアのサブフレームはスチール製だが、高耐久化。酸化を抑えるため、粉体塗装で仕上げられている。サスペンションアームやアップライトは、高剛性なブッシュやボールジョイントを採用する、まったく新しいアルミ製へ置換してある。

ステアリングラックは、オリジナルではノンアシストだが、僅かにドライバーを補助するユニットへ交換。リアアクスルには、クワイフ社製のリミテッドスリップ・デフを装備。軽いアルミ製ブレーキディスクと、パジッド社製の強化パッドも組まれる。

車重は699kg エンジンはローバーKシリーズ

車高調整できるナイトロン社製コイルオーバー・ダンパーを採用し、5スポーク・アルミホイールを包むのは、ヨコハマ・アドバン・ネオバ。左右のタイヤの間隔、トレッドは拡幅され、見た目はなかなかアグレッシブだと思う。

車重は、素の状態で699kg。オプションを追加することで、680kgを切ることも可能だという。

アナログ・オートモーティブ・スーパースポーツ(英国仕様)
アナログ・オートモーティブ・スーパースポーツ(英国仕様)

もちろん、エンジンも抜かりなし。1.8L 4気筒のローバーKシリーズ・ユニットは、新設計のブロックとヘッドへ置き換えられ、内部は鍛造品に。モータースポーツ・カムが組まれ、スロットルボディは気筒毎に独立。インジェクションも強化されている。

冷却系も、もちろん改良済み。シンプルな構成といえたオリジナル以上の、ライトウエイトスポーツへ仕立てられている。

キャビンには、カーボンファイバー製シェルのバケットシートを1脚か、必要なら2脚組める。2人で作業したいデタッチャブルのカンバストップは、オリジナルのままだ。

インテリアやダッシュボード、メーターパネル回りに手は加えられていないが、オプションでカーボン製トリムや、デジタルメーターも選べるそうだ。バケットシートは、アルカンターラやレザーで包むことも可能。重くなる代わりに、高級感を演出できる。

身長の高いドライバーが運転する場合、カンバストップは外した方が乗り降りしやすい。サポート製の高いシートの位置は、固定式。スパルコ社製のステアリングホイールが、気分を盛り上げる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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