マクラーレン・アルトゥーラ 詳細データテスト 改良されたエンジンとシャシー 冷静からやや情熱的に

公開 : 2024.11.16 20:25

内装 ★★★★★★★★☆☆

このアルトゥーラの内装は、同じく台数を稼ぐスーパーカーだった570Sと比較して、マテリアルの豪華さが増している。アンビエントライトはメルセデスSクラスに見られるようなもので、広範囲にレザーや金属、カーボンが使われている。

クルマ選びが楽になるよう、マクラーレンはパフォーマンス、テックリュクス、ヴィジョンと銘打った3つのパッケージオプションを用意し、価格はすべて5050ポンド(約99万円)とした。テスト車はパフォーマンス仕様で、ブラシ仕上げのチタンやふんだんなアルカンターラを使用している。

オーディオからバリアブルドリフトコントロールのような車両制御まで操作できる画面は縦型8インチ。メーターカウルには、シャシーやパワートレインを設定するロッカースイッチが設置される。
オーディオからバリアブルドリフトコントロールのような車両制御まで操作できる画面は縦型8インチ。メーターカウルには、シャシーやパワートレインを設定するロッカースイッチが設置される。    MAX EDLESTON

どれを選んでも、フィッティングと仕上げは良好で、ギアセレクトボタンはややチープだが、プラスティックより金属が多く用いられている。シフトパドルのスタイルは、パフォーマンス志向のマシンとしては飾り気が強いものの、ロッカースイッチ式の動き方をする。片方を手前に引くと、もう片方が奥へ動く方式だ。

スパイダーもクーペも、マクラーレンらしい優秀なエルゴノミクスを備える。スカットルは低く、シートのサポート性は非常に高い。唯一の不満は、ステアリングコラムのチルト調整が、背の高いドライバーには不足気味なことだ。

スパイダーのレッグルームはクーペより目減りしているが、それもわずかなもので、ミドシップカーではありがちなことだ。しかしながら、シートの背後やリアバルクヘッドより後方の積載スペースがないことは、使い勝手のネックだ。クーペならば、小さめのソフトなバッグなどを置ける棚状のスペースがある。

フロントのトランク容量は160Lで、これはフェラーリ296GTSより小さい。しかし、これは測り方の問題だろうか。見た感じは非常に深くて、あまりないほど広いのだが。

そのほかにキャビンの実質的なアップグレードはひとつ。2022年登場モデルにはなかったスマートフォン充電ポーチの追加だ。これは、デバイスをしっかりとホールドしてくれて使いやすい。インフォテインメントのMIS IIシステムは、まずまずレスポンスのいい8インチのタッチ画面と、マシン加工がいい感じのスクロールホイールを備える。ただし、レイアウトはやや直感的ではない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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