マクラーレン・アルトゥーラ 詳細データテスト 改良されたエンジンとシャシー 冷静からやや情熱的に

公開 : 2024.11.16 20:25

サーキット性能 ★★★★★★★★☆☆

コンバーティブル化されたアルトゥーラは、マクラーレンのラインナップにおいてはサーキット志向の低いモデルだ。しかし、彼らが使うテクノロジーを考えれば、サーキット走行をためらうことはない。ブレーキは最高だった。アルトゥーラのブレーキディスクは全車カーボンセラミックで、テスト車はモノブロックキャリパーを装備しており、動きはガッチリしていてフェードもない。

もっと広く見れば、アルトゥーラはサーキットで持ち前のバランスを発揮する。より高い力がかかり、限界ハンドリングをより探りやすい場面だ。それらは、公道では必ずしも見ることができない。ターンインでのアンダーステアへと寄っていく挙動は、ハイスピードコーナーでは消え、本格的に滑り出すと、スーパーカーとしては扱いやすい部類に入る。

リトラクタブルハードトップは、8つのモーターを使用し、11秒で開閉可能。50km/h程度までなら、走行中でも操作可能だ。補強ブレースなどは不要で、クーペ比62kgの重量増は、ほとんどがルーフ開閉機構によるものだ。
リトラクタブルハードトップは、8つのモーターを使用し、11秒で開閉可能。50km/h程度までなら、走行中でも操作可能だ。補強ブレースなどは不要で、クーペ比62kgの重量増は、ほとんどがルーフ開閉機構によるものだ。    MAX EDLESTON

あとは、もっと適したタイヤがほしいところだ。標準装備のピレリPゼロはすぐに熱ダレしてしまう。だが、オプションにミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2のようなタイヤは、いまのところ用意されていない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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