1.2L 3気筒+モーター3基で300ps ルノー・ラファール E-テックへ試乗 アルピーヌに相応しい走り

公開 : 2024.11.24 19:05

ルノー最新の大型SUV、ラファール 1.2L 3気筒エンジン+3基のモーターで300psを叶えたプラグインHV登場 アルピーヌのロゴに相応しい加速 褒められる乗り心地 英編集部が評価

1.2LターボのプラグインHVで300ps

AUTOCARでは、既にルノー最新のフラッグシップSUV、ラファールへ試乗している。それは、1.2L 3気筒ターボに電気モーターが組まれたハイブリッドで、燃費に優れ、装備が充実していた。

他方、パワートレインは洗練度が若干足りず、やや力不足な印象で、乗り心地も落ち着きが足りなかった。スタイリングは印象的でインテリアには高級感が漂うものの、お高めの価格を完全に納得させる実力、とまでは表現できなかった。

ルノー・ラファール E-テック 4x4 エスプリ・アルピーヌ(欧州仕様)
ルノー・ラファール E-テック 4x4 エスプリ・アルピーヌ(欧州仕様)

今回試乗したラファールは、同じ1.2Lターボを積むプラグイン・ハイブリッド。アルピーヌが調整したというシャシーを備え、最高出力はシステム総合で5割増し。燃費は更に伸ばされ、フラッグシップとして相応しい内容に思える。

ラファールのプラグイン・ハイブリッドは、通常のシステムより複雑。トランスミッション内やリアアクスル側へ、1・2基が載るだけではない。

電気モーターの1基目は、リアアクスルを担当。最高出力は68psが主張される。2基目のモーターは、フロントのエンジン側に組まれるスターター・ジェネレーター(ISG)。これは、34psを発揮する。

さらに3基目は、ハイブリッド版と同じくトランスミッション内で、100psと1番強力。3気筒エンジンも組み合わせた、システム総合での最高出力は300psに達する。0-100km/h加速は6.4秒でこなす。

アルピーヌのロゴに相応しい加速を披露

果たして、通常のハイブリッド版ラファールと比較して、動力性能の向上は顕著。各部に散りばめられた、アルピーヌのロゴに相応しい加速を披露する。

むち打ちしそうなほど鋭いわけではないが、信号ダッシュは爽快。従来のラファールでは躊躇しそうな追い越しも、余裕でこなせるだろう。

ルノー・ラファール E-テック 4x4 エスプリ・アルピーヌ(欧州仕様)
ルノー・ラファール E-テック 4x4 エスプリ・アルピーヌ(欧州仕様)

コンフォート・モード時は、基本的に電気モーターだけで走行。市街地などの低速域では、滑らかで快適な移動に浸っていられる。さほどパワフルではない、バッテリーEVと同様に走る。

スポーツ・モードへ切り替えると、内燃エンジンも仕事を始め、300psを召喚できる。筆者は、この状態が最も魅力的だと感じた。

ただし、やはりこのボディサイズに1.2Lエンジンは小さい様子。気張ると荒っぽいサウンドが耳へ届き始め、スポーティさを霞ませてしまう。

それでも、通常のハイブリッド版よりドライブトレインは洗練されている。エンジンとモーターの協調性は高く、主役交代もシームレス。トランスミッションの仕事っぷりも、ルノーの従来のシステムより遥かに優れている。

変速や加速でもたつく場面は、稀にある。ヘアピンカーブから鋭い脱出加速を求めると、0.5秒ほど反応が遅れていた。普段使いで、ヤキモキすることはないはずだが。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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