1.2L 3気筒+モーター3基で300ps ルノー・ラファール E-テックへ試乗 アルピーヌに相応しい走り

公開 : 2024.11.24 19:05

穏やかに運転すれば22.0km/Lを狙える燃費

燃費は、カタログ上のWLTP値で200.0km/Lと驚異的。容量22kWhの駆動用バッテリーが満充電の状態で、そこまで遠くを目指さなければ、実際に得られる効率ではある。

今回の試乗は、満充電でスタート。積極的に100kmほどを走らせて、平均19.5km/Lを得ていた。穏やかに運転すれば、22.0km/L程度は得られると予想できる。

ルノー・ラファール E-テック 4x4 エスプリ・アルピーヌ(欧州仕様)
ルノー・ラファール E-テック 4x4 エスプリ・アルピーヌ(欧州仕様)

ちなみに、出発時点で表示されていた、駆動用バッテリーでの航続距離は101km。コンフォートとスポーツ・モードを切り替えつつ、ワインディングを約95km飛ばした後でも、まだ16km走れると表示されていた。

電費は、平均で5.1km/kWh。過ごしやすい気温で好条件といえたが、これもかなり褒められる数字だと思う。車重は、ハイブリッド版の1714kgから、1934kgへ増えているのだから。

褒められる乗り心地 ボディの中心を軸に旋回

プラグイン・ハイブリッドのラファールには、アダプティブダンパーと、路面状態をスキャンして予め入力へ備えるアクティブ・システムが実装されている。その結果、車重は増えていても、乗り心地はだいぶ良い。

ハイブリッド版では、荒れた路面で落ち着かない場面があった一方、しっとりした動きでフラットさが保たれる。アスファルトの凹凸でアルミホイールが大きく上下動しても、シートベースやステアリングコラムへ伝わる揺れは、最小限に抑えられている。

ルノー・ラファール E-テック 4x4 エスプリ・アルピーヌ(欧州仕様)
ルノー・ラファール E-テック 4x4 エスプリ・アルピーヌ(欧州仕様)

さらに、操舵の精度と一体感を高めるため、アルピーヌは後輪操舵システムに改良を施している。ステアリングホイールは適度な重さがあり、キツめのカーブへ侵入していくと、ボディの中心を軸に旋回していく感覚を楽しめる。

トルクベクタリング機能も実装。ブレーキングポイントを遅らせたり、早めに加速へ移していくことも可能としている。ファミリーSUVとして、そんな積極的な走りは優先事項ではないだろう。しかし秘めた実力を知って、喜ぶコダワリ派はいるに違いない。

◯:長距離移動での快適性と燃費 個性のあるスタイリング パワフルでダイナミックなプラグインHVパワートレイン
△:通常のハイブリッド版とのさが大きい洗練性 価格の割に、3気筒エンジンの質感が荒い

ルノー・ラファール E-テック 4x4 エスプリ・アルピーヌ(欧州仕様)のスペック

英国価格:4万9695ポンド(約969万円)
全長:4710mm
全幅:1866mm
全高:1613mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:6.4秒
燃費:200.0km/L
CO2排出量:12g/km
車両重量:1934kg
パワートレイン:直列3気筒1197cc ターボチャージャー+ツイン電気モーター+ISG
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:22kWh
最高出力:300ps(システム総合)
最大トルク:23.4kg-m(エンジン)
ギアボックス:5速オートマティック(エンジン)/2速オートマティック(フロントモーター)/1速リダクション(リアモーター)(四輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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