アルファ・ロメオ初のSUV、完成まで「13年」も彷徨った苦難の開発 歴史アーカイブ

公開 : 2024.11.14 18:05  更新 : 2024.11.14 18:27

ようやく完成したステルヴィオ

2010年1月のデトロイト・モーターショーで、フィアットのセルジオ・マルキオンネCEOは「アルファは長い間、業績不振に陥っている」と指摘し、4月にはブランド再編を発表した。

2011年9月、アルファ・ロメオのSUV発売はさらに延期され、今度は2013年となった。

アルファ・ロメオ・カマル・コンセプト
アルファ・ロメオ・カマル・コンセプト    アルファ・ロメオ

翌年1月、マルキオンネ氏はこの動きを擁護し、159の発売を急がせた過ちを「二度と繰り返さない」と述べた。「アルファの新型車は準備が整い次第発売する。無理強いされることはない」

SUVのプラットフォームは、2014年の発売が噂されていたジュリアと同じものに移行されたが、完成品であるステルヴィオを見ることができたのは2016年になってからだった。

ありがたいことに、待った甲斐があった。ステルヴィオは、カマルのDNAの痕跡はあまり感じられなかったが、AUTOCARが見た中で最高クラスのドライバーズSUVだった。手短に言えば、何年も平凡な前輪駆動に甘んじてきたアルファ・ロメオの本来あるべき姿である。

来年には第2世代のステルヴィオが登場し、ハイブリッドとフル電動モデルに切り替わる予定だ。

しかし、ステランティスの最近の介入と、新ブランドCEOのサント・フィシリ氏の采配により、今後どうなるかは誰にもわからない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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