驚くほどの速さ+日常生活への順能力 フォルクスワーゲン・ゴルフ Rへ試乗 高訴求力なホットハッチ
公開 : 2024.12.19 19:05
アップデートを受けたMk8のゴルフ R 最高出力は332psへ上昇 乗り心地は硬め 素晴らしいステアリング ライン調整のしやすさ 驚くほどの速さと日常生活への順能力 英編集部が評価
もくじ
ーGTEにGTI、Rと復数選べる高速ゴルフ
ー最高出力は332psへ上昇 乗り心地は硬め
ー素晴らしいステアリング 容易なライン調整
ー驚くほどの速さと日常生活への順能力
ーフォルクスワーゲン・ゴルフ R ブラックエディション(英国仕様)のスペック
GTEにGTI、Rと復数選べる高速ゴルフ
ホットハッチは絶滅危惧種かもしれない。だが、そんな変化はフォルクスワーゲンには関係ないらしい。高速ファミリーハッチバックを古くから作り続けるこのメーカーは、8代目ゴルフにもGTEにGTI、GTI クラブスポーツ、Rと復数の選択肢を用意している。
ヒョンデ・アイオニック5 Nや、まったく新しいアルピーヌA290など、完全に電動のライバルも増えつつある。社会の法規的には、エンジンで走るこのタイプを正当化することは、難しくなる一方でもある。
それでも、今回試乗したゴルフ Rは従来以上にエネルギッシュでエキサイティング。フォルクスワーゲンの継続的な姿勢へ、感謝せずにはいられない。
2か月ほど前に、アップデートを受けたゴルフ Rには試乗している。それは欧州本土だったが、今回は路面状態がより手厳しいグレートブリテン島。改めて、その実力を探ってみたい。
8.5代目へ進化したゴルフに関しても、何度かご紹介している。スタイリングは、フェイスリフト前からシャープさを増した。過度に主張するアイテムを追加することなく、空力特性を改善させている。
インテリアも、ダッシュボードやインフォテインメント・システムを中心に改められた。広々とした車内空間と、優れた実用性は従来どおり。アナログだった7代目の方が、製造品質や親しみやすさで優れていたことは、否定できないが。
最高出力は332psへ上昇 乗り心地は硬め
エンジンは、フォルクスワーゲンではおなじみの2.0L 4気筒、TSIターボユニット。最高出力は332psへ引き上げられ、0-100km/h加速は4.6秒でこなす。
今回試乗したブラックエディションには、英国価格1950ポンド(約38万円)という、オプションのRパフォーマンス・パッケージも盛り込まれていた。ドリフトモードが追加され、最高速度は270km/hへ上昇する。
発進させてみると、パワーアップは実感しにくいかもしれない。とはいえ、8代目のゴルフ Rはそもそも遅くはなかった。
4気筒エンジンの特徴が薄いことは従来どおりだが、アイドリング直後からレッドラインまで、文句なしの動力性能を披露する。7速デュアルクラッチAT、DSGと四輪駆動システムにも手が加えられ、より安楽で高速に目的地を目指せるだろう。
サスペンションには、改良が加えられていない。英国仕様の場合、アダプティブダンパーが追加されパワーステアリングも可変式になる、DCCはオプションで指定できる。
これを装備し、最もソフトな状態へ設定しても、乗り心地は硬め。グレートブリテン島の荒れたアスファルトでは、揺れが目立っていた。特に低速域で。
速度域が上昇すると、負荷も増しサスペンションはしなやかに動き出す。巧みな減衰特性で、不意の凹凸を通過しても、ドライバーの自信を奪い取ることはない。安定性は高く、コーナーへ果敢に飛び込め、追い越しも余裕でこなせる。