ニュル「7分37秒」切り アウディRS Q8 パフォーマンスへ試乗 RSシリーズ最強の640ps!

公開 : 2024.11.27 19:05

アウディのフラッグシップSUV、RS Q8にパフォーマンス登場 RSシリーズ最強の640ps ニュルブルクリンクを7分36秒698で周回 高級感溢れる車内 圧巻の安定性と敏捷性 英編集部が評価

RSシリーズ最強の640ps ニュル7分36秒698

実は、アウディRS Q8 パフォーマンスのエンジンは、RSシリーズ最強だったりする。同じユニットが載る、RS6 アバントやRS7 スポーツバックは630psだが、こちらは640psの最高出力を誇る。最大トルクは86.5kg-mある。

巨大な高性能SUVへ否定的な読者はいらっしゃると思うが、称えるべき性能だと思う。もっとも、BMW X6 Mコンペティションや、ランドローバーレンジローバー・スポーツ SVも、同等のパワーを宿すが。

アウディRS Q8 クワトロ・パフォーマンス(欧州仕様)
アウディRS Q8 クワトロ・パフォーマンス(欧州仕様)

通常のRS Q8にも600psが与えられ、0-100km/h加速3.8秒の俊足を持つ。それでも、RS Q8 パフォーマンスはニュルブルクリンク・ノルドシュライフェを7分36秒698で周回し、クラス記録を樹立した。物理学を覆すような速さだ。

スタイリングは、通常のQ8から勇ましく変更されている。アウディは、グループB時代のラリーマシン、スポーツクワトロS1へ影響を受けた処理だと説明する。

モデル中期のフェイスリフトを受けており、さらにRS Q8 パフォーマンスでは、フロントグリルとマトリックスLEDヘッドライトのデザインが差別化される。リアには、大きなディフューザーがぶら下がる。

アルミホイールは、21インチが標準。試乗車は23インチだった。タイヤ幅は295だ。

ボンネット内に収まるのは、ポルシェカイエン・ターボやランボルギーニウルスとも共通する、4.0L V8ツインターボ。マイルドハイブリッドで、出力12kWのスターター・ジェネレーター(ISG)が組まれる。

高級感溢れる車内 防音材を削り響きをプラス

もちろん四輪駆動で、トランスミッションは8速オートマティック。前後のトルク割合いは、通常40:60だが、最大で20:80まで可変可能。トルクベクタリング機能付きの、リミテッドスリップ・デフを装備する。

トレッドは前で10mm、後ろで5mm拡幅。アダプティブ・エアサスペンションにも手が加えられ、電圧48Vで制御されるアンチロール機能をオプションで実装できる。

アウディRS Q8 クワトロ・パフォーマンス(欧州仕様)
アウディRS Q8 クワトロ・パフォーマンス(欧州仕様)

後輪操舵システムも装備。低速域では前輪と逆向きに5度、60km/h以上では同じ向きに1.5度まで制御される。

車内空間は、大柄なボディだけに広々。アウディらしく、インテリアには高級感が溢れている。ダッシュボードには、巨大なタッチモニターが2段。ステアリングホイールは、フェイスリフトでアルカンターラ巻きの新デザインになった。

ワイドなセンターコンソールには、マイクロファイバーで包まれるシフトレバー。もう少し、実際に押せるハードボタンは欲しいところ。リアシートでも大人は快適に過ごせ、荷室も、Q7より狭いと不満を抱く人は少ないはず。

RS Q8 パフォーマンスでは、専用のステッチで加飾。オプションのデザインパッケージを指定すると、洗練された空気感を濁さない程度に、レッドとブルー、グレーの3色で華やかに仕立てられる。

特筆したいのが、この仕様では防音材が減らされること。V8エンジンの勇ましいサウンドが、より車内へ届くようになっている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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