米国人にそっぽを向かれた残念な欧州車 文化の違いが生んだ悲劇 22選
公開 : 2024.12.07 18:05
米国で不発に終わった欧州車は数多く存在する。喜び勇んで大西洋を越えても、文化やイメージの違いで、米国人にはピンと来なかった……そんな不運なクルマたちを紹介する。
もくじ
ー今ひとつ「ウケ」が悪かった欧州車
ーアウディ5000
ービュイック・カスケーダ
ーキャデラック・カテラ
ークライスラー・クロスファイア
ークライスラーTC by マセラティ
ーデロリアンDMC-12
ーフィアット124スパイダー
ーフィアット500L
ーフィアット500X
ージャガーXタイプ
ーマイバッハ
ーメルセデス・ベンツBクラス
ーメルクールXR4Ti
ープリムス・クリケット
ールノー・ドーフィン
ーローバー3500
ースターリング
ートライアンフ・メイフラワー
ートライアンフ・スタッグ
ーヴォグゾール・ヴィクター
ーフォルクスワーゲン・フェートン
ーユーゴ
今ひとつ「ウケ」が悪かった欧州車
大西洋を挟んだ両岸、すなわち北米と欧州とでは、自動車に対するニーズと文化が歴史的に大きく異なっている。
そのため、北米で生産されたモデルが欧州でうまくいく可能性は低く、またその逆もしかりだが、自動車メーカーは努力を続けている。成功した例はいくつかあるが、失敗例も数多くある。
ここでは、何らかの理由で米国市場で大失敗した欧州車をアルファベット順に紹介する。欧州車ブランドに限らず、欧州で生産された米国車ブランドも含める。文化の違いを見てみよう。
アウディ5000
第2世代のアウディ5000(欧州では第2世代のアウディ100に相当)は、本来ならよく売れたはずだが、「意図しない急加速」と呼ばれる現象で有名になった。米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)は、これにはいくつかの原因があると指摘している。最も印象的なのは、「ドライバーが不注意で無意識のうちに」違うペダルを踏んでしまったというもの。アクセルとブレーキの踏み間違いだ。
誰が悪いかはともかく、この事件は5000だけでなく、アウディの米国での評判全体に大きな影響を与えた。アウディの販売台数は、1985年の7万4千台強から1991年には1万3千台弱に激減し、20世紀末まで回復することはなかった。今日に至るまで、アウディの米国での年間販売台数は、BMW、メルセデス・ベンツ、レクサスよりも少ない。
ビュイック・カスケーダ
カスケーダは、欧州(ポーランド)で生産され、米国のブランドによって米国で販売されていた。当時ゼネラルモーターズ(GM)の傘下にあったオペル、ヴォグゾール、ホールデンからも販売された4シーター・コンバーチブルで、米国では “比較的” 好調だったが、それでも大した結果を残せていない。年間販売台数は2016年の7153台をピークに年々減少し、生産を終了した2019年にはわずか2535台にまで落ち込んだ。
キャデラック・カテラ
キャデラックは1990年代、若い消費者に響く欧州車スタイルのクルマを販売するため、ドイツで生産されていたオペル/ヴォグゾール・オメガをごくわずかに改良したカテラを米国に導入した。
この試みは失敗に終わる。ファッションモデルのシンディ・クロフォード氏と鳥のキャラクターを使った奇妙な広告が展開されたが、8年間で9万5千台しか売れなかった。同クラスのライバル、レクサスGSに完敗を喫した。