【一充電走行距離759km】メルセデス・ベンツ「EQS」新型 ラグジュアリーと快適性をもう一段階上に

公開 : 2024.11.16 07:05

便利な機能はどう進化した?

MBUXハイパースクリーン

MBUXハイパースクリーンは、左右Aピラーの間にあるダッシュボードをほぼ埋め尽くす、大型の曲線的なスクリーンユニットだ。1枚のカバーガラスの奥にディスプレイが3枚あり、単一のスクリーンに融合したように見える。

MBUXハイパースクリーンは、コックピットディスプレイ(画面対角サイズ:12.3インチ)、有機ELメディアディスプレイ(17.7インチ)、有機ELフロントディスプレイ[助手席](12.3インチ)の3つのディスプレイを1枚のガラスで覆うことで、幅141cmにわたって広がる大きなスクリーンとしたものである。

メルセデス・ベンツ新型「EQS」発表。
メルセデス・ベンツ新型「EQS」発表。

メディアディスプレイと助手席用ディスプレイには、きわめて高精細な有機ELディスプレイと、触覚フィードバック機能が採用されており、助手席では、走行中にもさまざまなエンターテインメントが楽しめるという。

エクスクルーシブパッケージ

EQS 450+は乗員の快適性を向上させるエクスクルーシブパッケージを選択するとシートの素材がナッパレザーとなり、また後席の居住性を高めるエグゼクティブシート、ネック&ショルダーウォーマー(後席左右)、シートヒータープラス(後席左右)、マルチコントロールシート機能(後席左右)、ショーファーポジションスイッチ(助手席側)、デザインベルトバックル(前席・後席)、MBUX リアエンターテインメントシステムが装備される。

リアシートは、電動調整で38°まで背もたれの調整が可能となり、ショーファーポジションスイッチ(助手席側)を使い、前席助手席の位置も後席から調整が可能だ。また座面の深さを約50mm拡張できるが、エグゼクティブシートを装着すると後席は可倒式ではなくなる。

MBUXエンターテインメントパッケージプラス

主要音楽ストリーミング配信サービス(Spotify、Amazon Music、Apple Music)をMBUXインフォテインメントシステムに完全に統合した、メルセデス・ベンツの「オンラインミュージック」サービスに加えて、車内で指定アプリケーションによる動画を楽しめる「ビデオストリーミング」サービスが新たに加わった。

iPhoneに対応したデジタルキーを採用

デジタルキーを使えば、対応するiPhoneをドライバーが携帯している場合、クルマの始動やロック操作が簡単に行えるようになることに加え、キーの共有も可能で、家族や友人とデジタルキーを共用することができる。

この場合、オーナーキーを設定しているユーザーはさまざまな権限を割り当てることができ、例えば許可する範囲をロック操作のみとしたり、車両の始動も可能としたりすることができるという。

デジタルキーを共有するには、AirDropやiMessageなどのメッセージサービスを介して共有相手にキーを送信し、受信者は自分のApple Walletにキーを追加する。

なお共有後にキーを削除する場合も、オーナーはApple WalletまたはMBUXインフォテインメントシステムを使って簡単に操作が可能だ。

走りに関する部分は?

パワートレイン

・バッテリー容量を118.0kWhに増やし、一充電走行距離759kmへ
メルセデスAMG EQS 53 4マティック+にディスコネクトユニットを搭載
・最新世代の回生ブレーキを採用

eATS(モーター)

EQS 450+はリアに電動パワートレイン(eATS)を搭載し、最高出力360psを発生。一充電走行距離は日本で販売されている電気自動車の中で最長となる759kmだ。

メルセデス・ベンツ新型「EQS」発表。
メルセデス・ベンツ新型「EQS」発表。

電気モーターには永久磁石同期モーター(PSM)が採用されており、PSMでは、ACモーターのローター(回転子)に永久磁石が取り付けられているため、ローターには通電の必要がなく、電気モーターは三相の巻線を2つ備える六相式を採用しているため、きわめて強力だという。

メルセデスAMG EQS 53 4マティック+はフロントとリアにeATSを備えており、最高出力は658psを発生。(レーススタート使用時は最大761ps)。航続可能距離は659kmだという。トルクシフト機能によってフロントとリアの電気モーター間で駆動トルクの連続可変配分が行われるため、前後駆動力配分は常に効率的かつ最適化されている。

ディスコネクトユニット(DCU)

メルセデスAMG EQS 53 4マティック+には新たな機構としてディスコネクトユニット(DCU)を搭載。DCUはフロントのeATSにアクチュエーターを用いたクラッチを設けることで、走行状況に応じてクラッチを切ることで前輪をフリーにしモーターによる抵抗を極力低減させるものだ。例えば、高速巡航時にクラッチを切り離すことで後輪駆動のみとし、電気の消費量を抑制することが可能となる。

回生ブレーキ

回生レベルを高めて減速時により多くの回生エネルギーを回収できるようになり(最大3m/s2)、また、ブレーキシステムもマスターシリンダーなどを最適化し、ブレーキペダルのフィーリングが向上していると述べる。

ヒートポンプ

高電圧バッテリーや電動パワートレイン(eATS)からの廃熱等をより効率よく暖房等に利用するシステムを採用することで消費電力を大幅に削減し、航続距離を伸長することに貢献する。

高電圧バッテリー

EQSのリチウムイオンバッテリーは118.0kWhの大容量になり、6.0kWまでの交流普通充電と、直流急速充電(CHAdeMO規格)に対応する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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