【四世代に渡る歴史の光と影】刑事ドラマでも大活躍!ソアラとレパードの想い出を振り返る

公開 : 2024.11.19 11:45

刑事ドラマで大活躍したトヨタ・ソアラと日産レパードは、今も根強い人気を誇るモデルです。ここでは両車に思い入れの強い木原寛明が、初代&二代目ソアラと二代目レパードを中心に、歴代モデルを想い出とともに振り返ります。

歴史のなかには、光だけではなく影もある

トヨタソアラ日産レパード。かつて刑事ドラマにも登場していたクルマたちだが、互いに四世代のモデルを輩出した歴史のなかには、光だけではなく影もある。新車当時、筆者が生で感じたことも本稿に折り込み、コラムとして2車の歴史を振り返ってみたい。なおこの記事では、初代&二代目ソアラと二代目レパードを中心に総括することをお断りしておきたい。

『光と影』。ソアラとレパードの歴代モデルを思い浮かべるとき、この言葉が脳裏をよぎる。それはまるで華やかさと危険な匂いが交差する、横浜のベイサイド地区のように……。特に二代目レパード(1986年~)は、横浜を舞台としたTVドラマと映画『あぶない刑事』シリーズで活躍していたから、よけいにその印象が強い。

初代トヨタ・ソアラ(上)と二代目日産レパード(下)。刑事ドラマでも活躍した人気モデルたちだ。
初代トヨタ・ソアラ(上)と二代目日産レパード(下)。刑事ドラマでも活躍した人気モデルたちだ。    トヨタ/日産

初代ソアラ(1981年~)も、刑事ドラマ『太陽に吠えろ』シリーズに登場した。『あぶない刑事』もそうだが、現実社会において人目につく高級パーソナルクーペに刑事が乗ることは考えられない。まさに映画やドラマの世界ならではの特別な配車と言えよう。ちなみに初代レパード(1980年~)は、手塚治虫原作の連続ドラマ『加山雄三のブラック・ジャック』(1981年)で主人公の愛車として登場していたのをご存知だろうか。

初代ソアラのキャッチコピーは『未体験ゾーンへ。』

初代ソアラが誕生したのは1981年のことで、キャッチコピーは『未体験ゾーンへ。』、または『SUPER GRAN TURISMO』であった。とにかく凄いクルマが発売されるという前情報が、自動車雑誌を中心とした各媒体に溢れていたのを覚えている。

事実、高性能モデルの『2800GT』と『2800GTエクストラ』は、170psを絞り出す5M-GEU型2.8L直6DOHCエンジンを搭載し、極めて高い走行性能を持っていた。発売前に行われた海外試乗会では、余裕で200km/h巡航が可能だったという。

初代トヨタ・ソアラ。キャッチコピー同様、実車の印象は未体験ゾーンであった。
初代トヨタ・ソアラ。キャッチコピー同様、実車の印象は未体験ゾーンであった。    トヨタ

ところで筆者はその頃はまだ高校生だった。高校の隣家のご主人が発売して間もないスーパーホワイトの『ソアラ3000GT』を洗車していたので見とれていたら、「少しドライブする?」と言われて乗せていただいたことがある。それはまさに未体験ゾーンで、夢のような出来事であった(昭和ならではの大らかなエピソードだ)。そんな初代ソアラは、名車と言われる輸入車の多くがそうであったように、頻繁にアップデートし熟成されていった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    木原寛明

    Hiroaki Kihara

    1965年生まれ。玉川大学では体育会ノリの自動車工学研究部に所属し、まだ未舗装だった峠道を走りまくった。最初の愛車(本当は父のもの)は2代目プレリュード(5MT)。次がフルチューンのランサーEXターボ。卒業してレースの世界へと足を踏み入れたものの、フォーミュラまで乗って都合3年で挫折。26歳で自動車雑誌の編集部の門を叩き、紙時代の『AUTOCAR JAPAN』を経て、気が付けばこの業界に30年以上。そろそろオーバーホールが必要なお年頃ですが頑張ります!
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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