【激戦のハイパーカー・クラス】ランボルギーニは2024年WECにどう挑んだのか?

公開 : 2024.11.20 11:45

2台体制はランボルギーニにとって大きなチャレンジ

「現在の段階では、2025年シーズンに向けてのあらゆる可能性を調査している段階という表現にとどめておきたいと思います。2台体制は我々ランボルギーニにとって大きなチャレンジであり、テストのプランもさらに複雑なものになるでしょう。この問題についてはもちろん最善を尽くしたいと考えています」

それではSC63に採用されたエンジニアリングは、将来的にランボルギーニのプロダクションモデルに受け継がれる可能性はあるのだろうか。

ランボルギーニのWEC参戦マシン『SC63』。2025年は2台でのエントリーが義務付けられる。
ランボルギーニのWEC参戦マシン『SC63』。2025年は2台でのエントリーが義務付けられる。    ランボルギーニ

「ハイブリッド技術などは、むしろレヴエルトテメラリオの開発で得たノウハウをSC63に導入したという流れでしょうか。もちろんシステム自体は共通でも、その制御やエンジンとの連携には大きな違いがあります。将来的にSC63からプロダクションモデルに受け継がれる技術としては、やはりエアロダイナミクスや軽量化などが中心となってくるでしょう」

自動車メーカーにとって、特にランボルギーニのようなスーパースポーツカーをブランドのコアとするメーカーにとって、モータースポーツは何より大切なアクティビティだ。2025年のWECの開幕戦に、ランボルギーニがさらにそのパフォーマンスを高めたSC63を、2台揃ってエントリーしてくれることを心から願いたい。ちなみにル・マン24時間レースのエントリー締め切りは、本稿執筆後の11月18日となっている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事