ディーゼル並みの低燃費! メルセデス・ベンツ次期型CLAに新1.5L 4気筒ガソリンエンジン「M252」搭載

公開 : 2024.11.19 06:25

メルセデス・ベンツは来年発表予定の次期型「CLA」で、EVと並んで新開発の1.5L 4気筒ガソリンエンジンを導入する。軽量設計と48Vマイルドハイブリッド技術によって高効率化を実現したという。

小型軽量エンジン マイルドハイブリッド専用

メルセデス・ベンツの次期型「CLA」では、フル電動のバッテリーEVモデルと、ディーゼル並みの低燃費を謳う新開発のガソリンエンジンモデルを導入する。今後数か月以内に正式発表される予定だ。

新しいMMAプラットフォームをベースに、EV優先で開発されているが、「さまざまな地域の顧客の希望とモビリティへのニーズがEVへの切り替えペースを決定した」という認識のもと、効率に徹底的にこだわって設計されたマイルドハイブリッド・パワートレインも用意されることになった。

メルセデス・ベンツが開発した「M252」ガソリンエンジンは、ディーゼル並みの低燃費を実現するという。
メルセデス・ベンツが開発した「M252」ガソリンエンジンは、ディーゼル並みの低燃費を実現するという。    メルセデス・ベンツ

次期CLAに搭載される「M252」1.5L 4気筒ガソリンエンジンは、可能な限りコンパクトに設計されている。MMAはEVネイティブのプラットフォームであるため、電気モーターよりもスペースを取らないようにしなければならないからだ。ただし、MMAはモジュラー構造になっており、スケールアップすることもできると説明されている。

シリンダーはブロックをコンパクトに保つために可能な限り近くに配置され、エグゾースト・マニホールドはシリンダーヘッドの外側ではなく、ヘッドの内側に収められる。トランスミッション、電気モーター、インバーターはすべて1つのユニットに統合されている。

M252は、メルセデス・ベンツの現行4気筒エンジンよりも全体的に小型化され、重量も約17%軽いという。

3気筒よりも4気筒が選ばれたのは、偶数のシリンダーがもたらす洗練性の高さが理由だ。フォームやカバーなどの包括的な遮音対策が施され、不要なノイズと振動を最小限に抑えている。

M252の最高出力は、前輪駆動モデルで136psまたは163ps、四輪駆動モデルのCLA 4マチックで190psを発生する。これについてメルセデス・ベンツは「リッターあたりの出力はかなり高い」としている。

実際、このサイズのエンジンとしては最も強力な部類に入るだろう。参考までに、ミニ・クーパーCの1.5L 4気筒は156ps、フォルクスワーゲン・ゴルフの1.5Lは最大150psに抑えられている。

パワートレインの主任エンジニアであるカーステン・クレブス氏は、現実的な最高出力数値については明言を避けたが、AUTOCARの取材に対し、上記の3段階の初期チューンは「出発点」であるとして、将来的にはさらなる派生モデルが導入される可能性を示唆した。

来年のCLA発売に向けてエンジンのホモロゲーション作業中であり、燃費の予想値はまだ示せないが、「ハイブリッド・パワートレインの燃費はディーゼルレベルに達していると思う」とクレブス氏は述べた。

現行型CLAは、2.0Lディーゼルエンジンを搭載した場合、公称燃費23km/l前後を達成している。AUTOCARがテストしたところ、巡航時に25km/lを超えるのは容易だった。新型のM252がこれに匹敵するのであれば、ガソリンエンジンとしては非常に高効率と言える。

最高出力27psの電気モーターは、短距離であれば100km/hまでの加速が可能だ。電力は助手席の下にある1.3kWhの48Vバッテリーに蓄えられ、減速時に最大25kWのエネルギー回生が可能だ。

エンジンの始動にモーターを使用することで、従来のスターターモーター(セルモーター)が不要となり、アイドリングストップ機能も「ドライバーにとってほとんど気にならない」という。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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