エンジン型式がモデル名:ジャガーXK150 トランペットな響き:アストン マーティンDB5 直6の英国車たち(1)

公開 : 2024.12.07 17:45

手強いミッションも達成できるDB5

DB4には微妙な改良が重ねられ、1963年にDB5が登場。カウル付きのヘッドライトを備える、延長されたボディは後期のDB4譲りだが、排気量は3670ccから3995ccへ拡大されていた。最高出力は、284psに達した。

DB5のユニットでは、シリンダー形状は96x92mmと、若干オーバースクエア。それでも、同時期のイタリアン・ユニットと比べれば、ロングストロークではある。

アストン マーティンDB5 コンバーチブル(1963〜1965年/英国仕様)
アストン マーティンDB5 コンバーチブル(1963〜1965年/英国仕様)

低域でガタガタと震えず、中域でたくましい。アクセルペダルを傾け続ければ高域まで伸びるものの、必要性は高くない。これらが、高速グランドツアラーというDB5の特徴を醸し出している。落ち着きのあるシャシーとも調和する。

映画007で揺るぎない地位を獲得したDB5だが、仮にその1本も見たことがなくても、素晴らしいフォルムには見惚れるはず。フロントグリルからフェンダーへ展開するライン、斜め後方のボリューム感など、引き込まれるポイントが随所にある。

インテリアも特別感が強い。ブラックの内装を、クロームメッキのトリムがスキなく引き締める。

コーナリングの鋭さは、そこまで鮮烈な印象を残さない。だが予想しやすく、操る自信をドライバーへ抱かせる。バランスの良いエンジンは滑らかにパワーを湧出し、トランペットのような響きを奏でて吹け上がる。

最初のオーナーが望んだように、乗り手の気分へ応えてくれる。普段は穏やか。その気になれば、手強いミッションも達成できるに違いない。

協力:ウィンスピード・モータースポーツ社、チャールズ・プリンス・クラシックカーズ社

XK150とDB5 2台のスペック

ジャガーXK150(1959〜1961年/英国仕様)

英国価格:1942ポンド(新車時)/10万ポンド(約1950万円/現在)以下
生産数:586台
全長:4496mm
全幅:1580mm
全高:−mm
最高速度:201km/h
0-97km/h加速:7.6秒
燃費:6.7km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1424kg
パワートレイン:直列6気筒3442cc 自然吸気DOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:223ps/5500rpm
最大トルク:33.1kg-m/3000rpm
ギアボックス:4速マニュアル(後輪駆動)

アストン マーティンDB5 コンバーチブル(1963〜1965年/英国仕様)

英国価格:4726ポンド(新車時)/200万ポンド(約3億9000万円/現在)以下
生産数:123台
全長:4570mm
全幅:1680mm
全高:−mm
最高速度:228km/h
0-97km/h加速:8.1秒
燃費:6.0km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1490kg
パワートレイン:直列6気筒3995cc 自然吸気DOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:286ps/5500rpm
最大トルク:38.6kg-m/4500rpm
ギアボックス:5速マニュアル(後輪駆動)

ジャガーXK150(1959〜1961年/英国仕様)
ジャガーXK150(1959〜1961年/英国仕様)

この続きは、直6の英国車たち(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・カルダーウッド

    Charlie Calderwood

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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