小ボディに大エンジン:オースチン・ヒーレー3000 過去と現代が融合:トライアンフTR5 直6の英国車たち(3)

公開 : 2024.12.08 17:45

3000とTR5 2台のスペック

オースチンヒーレー3000 BJ7(1962〜1963年/英国仕様)

英国価格:1190ポンド(新車時)/6万ポンド(約1170万円/現在)以下
生産数:6113台(BJ7のみ)
全長:3988mm
全幅:1524mm
全高:1168mm
最高速度:188km/h
0-97km/h加速:11.0秒
燃費:6.7km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1118kg
パワートレイン:直列6気筒2912cc 自然吸気OHV
使用燃料:ガソリン
最高出力:131ps/4750rpm
最大トルク:23.0kg-m/2700rpm
ギアボックス:4速マニュアル(後輪駆動)

トライアンフTR5(1967〜1968年/英国仕様)

価格:985ポンド(新車時)/6万ポンド(約1170万円/現在)以下
生産数:2947台
全長:3902mm
全幅:1470mm
全高:1170mm
最高速度:193km/h
0-97km/h加速:8.8秒
燃費:8.5km/L
CO2排出量:−
乾燥重量:1030kg
パワートレイン:直列6気筒2498cc 自然吸気OHV
使用燃料:ガソリン
最高出力:152ps/5500rpm
最大トルク:22.6kg-m/3500rpm
ギアボックス:4速マニュアル(後輪駆動)

ライトブルーにホワイトのオースチン・ヒーレー3000 BJ7と、ダーク・グリーンのトライアンフTR5
ライトブルーにホワイトのオースチン・ヒーレー3000 BJ7と、ダーク・グリーンのトライアンフTR5

英国製ベスト直6はジャガーXKユニット

優れたエンジンとは、何を指すのか。先進的な技術なら、アルミ製ブロックやオーバーヘッドカムなどを採用する、ACエースのユニットが当てはまる。だが、基本は1919年まで遡る。同時に、製造コストは高かった。

身近な高性能を指すなら、シンプルなオースチン・ヒーレーやトライアンフのユニットが当てはまる。量産サルーン用の技術をベースにチューニングされ、優れた耐久性を備える。しかし、最高の運転体験を与えるわけではない。

手前からライト・ブルーのアストン マーティンDB5 コンバーチブルと、レッドのACエース、ダーク・ブルーのブリストル405 ドロップヘッド・クーペ、ライトブルーにホワイトのオースチン・ヒーレー3000 BJ7、ダーク・グリーンのトライアンフTR5、レッドのジャガーXK150
手前からライト・ブルーのアストン マーティンDB5 コンバーチブルと、レッドのACエース、ダーク・ブルーのブリストル405 ドロップヘッド・クーペ、ライトブルーにホワイトのオースチン・ヒーレー3000 BJ7、ダーク・グリーンのトライアンフTR5、レッドのジャガーXK150

魅力度ならブリストル。405には小さすぎるとしても、快音を響かせ滑らか。排気量を考えればパワーも不足ない。とはいえ、より高域へ回るユニットが当時は既に存在した。革命的なものではなかった。

アストン マーティンの直6も素晴らしい。スペック的に訴求力が高く、見た目も美しい。優雅なボディとも調和している。ただし、少量生産の高級品だった。

ジャガーのXKユニットは、これらの特長を備えながら、扱いやすく高価過ぎなかった。1948年時点で最先端の設計にあり、ジャガーMk1からXJに至るサルーンまで、数多くのモデルへ採用されてきた。

排気音は素晴らしく、トルクフル。高域まで引っ張っれば、多くのドライバーを満たしてくれる。

コストを無視するなら、タデック・マレックの名機を選びたい。ブリストルも傑作ユニットだ。それでも、歴史的な功績と遺産的な価値、実際の体験を加味し、ジャガーXKユニットが英国製ベスト直6であることに、疑う余地はないだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・カルダーウッド

    Charlie Calderwood

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

直6の英国車たちの前後関係

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