【スープラGT500に激しい入札!】JDM車だけのオークションを東京で開催
公開 : 2024.11.19 12:05
国産旧車の中で新たなトレンドとなっているJDM車に的を絞った『JDMコレクティブル・オークション』が、11月16~17日に東京のA PIT オートバックス東雲で開催されました。上野和秀がその模様をレポートします。
JDM車に的を絞ったオークション
国産旧車の中で新たなトレンドとなっているJDM車に的を絞った『JDMコレクティブル・オークション』が、11月16~17日に東京のA PIT オートバックス東雲で開催された。
JDMとはジャパン・ドメスティック・マーケットの略で、日本だけで販売された右ハンドルのスポーツモデルが、アメリカで注目されたことからカテゴライズされたもの。
製造から25年が経過した車両は、アメリカの車両規定から除外されクラシックカーとして登録できる(一部例外の州がある)。そのためアメリカで販売されなかったR32スカイラインGT-Rを始めインプレッサやランエボなどの、日本のハイパフォーマンスモデルを輸入して乗るのがトレンドとなってゆく。
こうしたJDMという日本車カルチャーを牽引した珠玉の日本車たちを集めたオークションが、『JDMコレクティブル・オークション』である。主催するのは日本を代表するコレクターズカー・オークションハウスの『BHオークション』だ。
選りすぐりの18台を用意
JDMコレクティブル・オークションには、選りすぐりの17台とヤマハの未使用クラシックレーサーの計18台が用意された。11月16日と17日の昼間はビューイングタイムとされ、入札は17日17時からスタートした。
今回の出品車で注目に値するのがR32スカイラインGT-R N1だ。N1耐久レース参戦を目的に、ホモロゲーションモデルとして最初期に生産されたのがN1仕様で、生産台数は228台のみ。実戦用のモデルだけにレース未使用で残っているのは、ほとんどないと思われる。さらには走行851kmという実質新車といえるコンディションが驚きだ。
ローマイレージ車はこのほか、走行3051kmの三菱ランサー・エボリューションVI RSや、5781kmのマツダ・アンフィニRX-7(FD3S)といった、貴重なモデルが用意された。
玄人向けの1台といえるのが、ダットサン240ZヴィンテージZだ。米国日産がフェアレディS30Zを称え、公式にレストレーションした限定車が『ヴィンテージZ』なのである。米国国内向けに販売されたため、日本には2台だけが上陸したという。Zフリークには見逃せない1台だ。
スープラGT500に激しい入札
オークションは11月17日の17時からスタートした。今回は会場の関係から入札会場へ車両は入れないため、会場のモニターを使用して車両の説明が行われた。
今回のJDMオークションでは、レーシングドライバーであり、現在はスーパーGTの GT300クラスに参戦する#60 LMコルサの監督を務める飯田章氏と、スーパー・フォーミュラとスーパーGTで活躍する笹原右京氏がコンダクターを務めた。
JDMオークションで注目を集めたのが、2000年の全日本GT選手権(スーパーGTの前身)に竹内浩典氏と立川祐路氏がドライブした、トヨタ・スープラGT500が出品されたことだ。現役引退後にパワートレインはメーカーに返却されたが、レースを戦い抜いたボディとシャシーは奇跡的に生き延び、以来竹内氏が保管していたものが出品されたのである。
オークションは出品された18台中7台が落札された。このうち最もヒートしたのがスープラGT500だった。会場には竹内氏が登壇して雰囲気を盛り上げたこともあり、激しい入札が繰り広げられた。エンジンとトランスミッションがない状態ながら最終的に1980万円で落札された。
このスープラGT500のようにメーカーが製作したレーシングマシンは、退役後はスクラップにされ外部に出ることは稀といえる。この個体は竹内氏がプロモーション用にディスプレイカーとして使用していたため生き残り、その希少性から高額で落札されたのである。
このほかローマイレージのRX-7が737万円、2シーターでマニュアルという希少なZ32フェアレディZは506万円で決着。ほとんど流通しないバモス・ホンダは人気を集め264万円で決着。D1 SL用に製作されたS15シルビアは550万円で落札されている。
なおBHオークションは今回のJDMオークションに続き、2025年1月10~12日にお台場の東京シティサーキットでスーパーカー・オークションをすると発表した。出品車は現時点では未定だが、JDMオークション会場にはランボルギーニ・ディアブロGTRを展示し、開催をアピールしていた。