稀有な本格的「4シーター」 マセラティ・グランカブリオへ試乗 望めば不満なく速い550ps!

公開 : 2024.12.05 19:05  更新 : 2024.12.05 19:46

本格的な4シーター・コンバーチブル、グランカブリオ 最高出力550psの3.0L V6ツインターボに四輪駆動 望めば不満なく速い ボディの寸法や質量を実感するコーナリング 英編集部が評価

本格的な4シーター・コンバーチブル

ハイエンドな4シーター・コンバーチブルとして、稀有な存在といえるマセラティ・グランカブリオ。情緒的なロードトリップ・ムービーで、シズル感を誘うようなモデルだ。

だが実際に乗ってみると、理想と現実は違うと実感する場合も少なくない。往々にして、このパッケージングではリアシートが狭い。走行中は風が盛大に吹き込み、穏やかに会話することが難しい。だとしても、憧れる存在ではある。

マセラティ・グランカブリオ・トロフェオ(英国仕様)
マセラティ・グランカブリオ・トロフェオ(英国仕様)

この事実を理解するベントレーポルシェメルセデスAMGなどは、2+2と割り切って提供している。リアシートは、あくまでも補助席といっていい。

対して、2024年に生産が始まったマセラティ・グランカブリオは、本格的な4シーター。実用性も追求された、唯一無二のイタリアン・カブリオレといえる。風を避けて会話を楽しみたいなら、電動ソフトトップを閉めれば良い。

ライバルは、そのコンチネンタルGTCや911 ターボ・カブリオレ、SL 63など。最新のアストン マーティンDB12 ヴォランテとも比較されるだろう。

英国に導入されるのは、ガソリンエンジンのグランカブリオ・トロフェオと、トリプルモーターのグランカブリオ・フォルゴーレの2種類。今回試乗したのは前者になる。

最高出力550psの3.0L V6ツインターボ

写真のとおり、グランカブリオはグラントゥーリズモのコンバーチブル版。プラットフォームは、当初から電動パワートレインが想定され、クーペとカブリオレに対応する設計が施されている。

ボディサイズはライバルより大きめで、全長は4966mm、全幅が1957mm、全高が1365mm。オープンボディではシャシーの補強が欠かせず、車重はグラントゥーリズモより100kg程重い。1895kgある。

マセラティ・グランカブリオ・トロフェオ(英国仕様)
マセラティ・グランカブリオ・トロフェオ(英国仕様)

フォルゴーレでは、駆動用バッテリーが剛性を担保するため、補強が不要だという。そもそも、こちらの車重は軽くないが。

エンジンは、オーバースクエアでバンク角90度の、ネットゥーノ・ユニット。3.0L V型6気筒ツインターボで、最高出力は550psがうたわれる。四輪駆動で、アダプティブダンパーが標準で装備される。ちなみに、フォルゴーレの最高出力は760psだ。

スタイリングは、低く伸びやかなボンネットから、後方へ優雅にカーブが続く印象的なもの。ボンネットは、コファンゴとイタリア語で表現される、クラムシェルスタイル。フロントグリルを、落ち着いたクロームメッキが飾る。

ソフトトップは、ブラックかブルー、グレーの他、グラナータ・レッドから選べる。ボディカラーとのコーディネートを楽しみたい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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