アルファ・ロメオ・トナーレでジュリエッタ乗りに出会う【新米編集長コラム#9】

公開 : 2024.11.22 12:05

踏み込めばやんちゃもできそう

せっかくなので、少しだけトナーレのステアリングを握っていただいた。EVは初めてということで、EVモードで走り始めると「静かでなめらかですね。おもしろいなぁ」と興味津々。「非常にクレバーな走りですね」と好印象のようだ。

道がすいていたので、ちょっとだけアクセルを踏み込んでもらった。

市川さんがお乗りのアルファ・ロメオ・ジュリエッタ・スペチアーレ。
市川さんがお乗りのアルファ・ロメオジュリエッタ・スペチアーレ。    ご本人提供

「ジュリエッタとはトルクのかかり方が違いますが、エンジンの雰囲気はアルファ・ロメオらしいですね。ジュリエッタって乗り心地が悪いですし、Dモードでパドルを使い頻繁にシフトダウンして走るので、家族には不評なんです。やんちゃな走りができていいのですが。トナーレは街中で運転したくなりますし、踏み込めばやんちゃもできそうなので、いいところどりと言えます」

乗っているうちに、自分が所有する姿も想像できたようで、曲がり角でも回転半径を確かめながら「これは運転しやすいですね」と嬉しそうな市川さん。「もっと音がよかったらなぁ」とジュリエッタを思い浮かべながら、「ジュリエッタ・スペチアーレは、購入を秒で決めたんです。アルファ・ロメオって本能で欲しくなるクルマだと思いました。走るときも五感全てを使うから、思考が入る余地がないんです」と語る。

市川さんは『ネスレ日本 ネスレヘルスサイエンス カンパニー』で、『執行役員 マーケティング&メディカルアフェアーズ統括部 統括部長 薬学博士』という肩書をお持ち。簡単に書くと、元々研究者ではあるがマーケティングの経験もあり、『食品で医療を変える』ことをテーマに日々、活躍されている方だ。

トナーレへの好印象が止まらない

そういった多忙な日々の中で、仕事を完全に忘れさせるアルファ・ロメオは、なくてはならないパートナーとなっている。「長年仕事を頑張ってきて、ゆとりができたので、クルマを楽しむことができています。免許を返納するまでやんちゃしたいんです(笑)」と話し、楽しそうにトナーレのドライブを続ける市川さんは、セレクターをDモードに切り替えた。

「やはりエモーショナルですよね。Dにした途端、単なる移動手段ではなくなりました。トナーレはハンドル操作ではなく重心移動で曲がることができるので、足の裏で感じて滑る、スキーの感覚に似ています」

「デザインで欲しくなるクルマって最近あまりないんですが、これは欲しくなります」と市川さん。
「デザインで欲しくなるクルマって最近あまりないんですが、これは欲しくなります」と市川さん。    山田真人

ドライブを終えてもトナーレへの好印象が止まらない。

「従来のスタイルを踏襲しながら、新しいスタイルも取り込んでいるのがいいですね。デザインで欲しくなるクルマって最近あまりないんですが、これは欲しくなります。現在ファーストカーの位置が空いているので、持って帰りたいですね(笑)」

最初、クルマの説明をしている時は、なんだかセールスマンみたいだった。「トナーレって、こんなにいいんですよ」といった塩梅だ。しかし、だんだんとアルファ・ロメオに対する感覚が一緒であることに気が付き、そこからはイタリア車乗り同士で意気投合し、共通した感覚を語り合う場になっていた。年齢も職業も経歴も何もかもが違うふたりであったが、こういった関係を築けるのがクルマ趣味の醍醐味と言えるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。
  • 撮影

    山田真人

    Makoto Yamada

    1973年生まれ。アウトドア雑誌編集部からフリーランスカメラマンに転身。小学5年生の時に鉄道写真を撮りに初めての一人旅に出たのがきっかけで、今だにさすらいの旅をするように。無人島から海外リゾート、子どもからメガヨットと幅広い撮影ジャンルを持つ。好きな被写体は動くものと夕陽。

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