ランドローバー・ディフェンダー 130 長期テスト(最終) 本気のオフローダー&大容量ワゴン

公開 : 2024.12.08 09:45

約5.4mの全長を持つディフェンダー 130 ランドローバーの「3本柱」の重要な1台 安定した走りで、高級車へ仲間入りした現行型 普段使いとの親和性を、英編集部が長期テストで評価

積算1万8654km オリジナルとはまったく異なる

長期テストでAUTOCARに来ていたランドローバーディフェンダー 130を、ジャガー・ランドローバーへお返しした。筆者は、オリジナルのディフェンダー 90を所有している。やはりというべきか、それとはまったく異なるクルマだった。

オリジナルのディフェンダー・ユーザー同士では、すれ違う時に手を触り合う事が多い。長期テストが始まった時、新型でも手を降ってくれるオーナーがいるかも知れないと期待したが、そんなことは1度もなかった。とはいえ、驚きはなかったけれど。

ランドローバー・ディフェンダー 130 D300 アウトバウンド(英国仕様)
ランドローバー・ディフェンダー 130 D300 アウトバウンド(英国仕様)

もはや、お隣の農家が買ったから、ウチでも買おうと思えるオフローダーではなくなった。それでも、新しいディフェンダーは素晴らしい。車内を水洗いできないことに、不満を抱くオーナーはいないだろう。

仮に、水をじゃぶじゃぶかけてフロアを洗いたければ、長期テスト車だったアウトバウンド・グレードが適している。サイドが立ち上がったゴム製のマットが付属し、取り外してブラシで洗うことができる。

これにレザー・アップグレードとプレミアム・インテリアパッケージを指定すれば、かなり豪華な雰囲気に仕上がる。長期テストのディフェンダー 130には、それら沢山のオプションが追加され、素の状態から1万6000ポンド(約312万円)も高かったが。

本気のオフローダー 大容量のワゴン

全長は、スペアタイヤを含めると5358mm。乗用車として考えると、間違いなく大きい。レンジローバーより長く、未踏の地を冒険する本気のオフローダーとしても、大容量のファミリーワゴンとしても実力を発揮できる。

ディフェンダー 130では、2列5名のシートレイアウトの他に、3列7名も選択可能。殆どのドライバーが出くわすことのない悪路を悠々と走破する一方で、長距離・長時間移動を至って快適にこなせる。自分は、馬の餌を沢山運んだ。ちょっとした悪路にも挑んだ。

ランドローバー・ディフェンダー 130 D300 アウトバウンド(英国仕様)
ランドローバー・ディフェンダー 130 D300 アウトバウンド(英国仕様)

次期型のランドローバー・ディスカバリーは、ディフェンダーとの差別化が求められる。よりスポーティな雰囲気になるらしい。秘境へ挑んだキャメルトロフィーは、すっかり過去のイメージになったようだ。

D300のパワートレインは、3.0L直列6気筒マイルドハイブリッドのディーゼルターボ。最高出力は300psもある。トランスミッションは8速オートマティック。シフトパドルはないが、レバーで任意にギアを選ぶこともできる。自分は、殆ど機械任せだったが。

四輪駆動システムで、ローレンジを選ぶ場面はなかった。エアサスペンションで車高を持ち上げることはあったものの、その程度。路面状況に応じて特性が変化する、テレインレスポンスに触れる機会もほぼなかった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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