ジャガーが3年前に開発中止した大型SUV「Jペイス」 全長5m強のプロトタイプ、画像で明らかに

公開 : 2024.11.22 06:05

ジャガーのフラッグシップモデルとして開発されていた「Jペイス(J-Pace)」の姿が明らかになった。レンジローバーと対になる大型SUVで、インテリアがほぼ完成していたものの、2021年に計画中止となった。

3列シートも噂されたフラッグシップモデル

これは、3年前まで開発がかなり進んでいたジャガーの高級SUV「Jペイス(J-Pace)」のプロトタイプだ。その姿が明らかになるのは今回が初めて。

Jペイスは、ジャガーのフラッグシップSUVとして、現行のランドローバーレンジローバーと同じMLAプラットフォームをベースに量産化される計画だった。

ジャガーJペイスのプロトタイプ
ジャガーJペイスのプロトタイプ

内部関係者によると、画像の車両は主に、インテリアと車内のパッケージングを経営陣に見せるために作られたデモンストレーション用のモデルだという。

そのため、エクステリアデザインはほとんど見ることができないが、現在販売されているFペイスとの関連性が強いことは明らかだ。

一方で、インテリアはほぼ完成している。昨今のスクリーン重視のデザイン基準からすると、驚くほどクラシカルで、伝統的な高級感が強く見られる。シートやドアトリムも同様だ。

ダッシュボードはウッドトリムで占められているが、おそらくオプションとしてスポーティなアルミニウムやカーボンの仕様も用意されていただろう。

全長は5m強。パワートレインはレンジローバーと共通で、直6やV8のガソリンまたはディーゼルエンジン、マイルドハイブリッド、PHEVなどを備えていたはずだ。

もしJペイスが発売されていれば、来年にはフル電動バージョンも登場していた可能性がある。7人乗り仕様の導入も噂されていた。生産は英国のソリハル工場で行われていたと考えられる。

現在、Fペイスの価格は4万5000ポンド(約880万円)からなので、Jペイスの価格は少なくとも7万5000ポンド(約1470万円)からと予想される。

ジャガーがJペイスの発売を中止した理由は定かではないが、販売予測が平均以下だったことも理由の1つだろう。

公式には、当時のJLR(ジャガー・ランドローバー)のCEO、ティエリー・ボロレ氏は、ジャガーの将来は高級車ブランドから(EVの)超高級車ブランドに「昇格」することだと語っていた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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