メルセデス・ベンツCLE 詳細データテスト 快適で上質な走りが身上 動力性能と燃費効率はほどほど
公開 : 2024.11.23 20:25
意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
CLEは、CクラスとEクラスの2ドア両方のオーナーへ訴求できるよう、慎重に立ち位置が決められた。ルックスはEクラスよりむしろCクラス寄りだが、プロポーションはかなり異なる。ホイールベースは、Cクーペより25mm長く、Eクーペより10mm短い。全長は、Eクーペより5mm短いのみだ。
ベースとなるのはメルセデスのモジュラープラットフォームであるMRA2なので、EとCのどちらに近いとも言い難い。しかしながら、製造ラインはCとの関連性の強さを示している。生産はCクラスやEQEを受け持つブレーメン工場で、EクラスやSクラス、EQSを担当するジンデルフィンゲン工場ではないのだ。
ビジュアル的には、内向きにすぼまるヘッドライトと末広がりのグリルはCクラスに似たもの。しかし、弧を描くルーフラインと、やや絞り込まれたリアオーバーハングは、もっと平凡な身なりのCクラスより魅力的で、全幅いっぱいに広がるテールライトは、EQブランドのモデルに近い。多少派手めだが過激ではない、CやEのセダンに通じるテイストだ。
すでに投入されている4気筒と6気筒に続くのは、メルセデスが第4世代と位置付けるハイブリッドだ。メインとなるのはM254型2.0L直4で、204psと32.6kg-mを発生する。トランスミッションは9Gトロニック・プラスこと9速ATで、129psと44.9kg-mの電気モーターを内包。駆動用バッテリーは25.4kWhのニッケル/マンガン/コバルト式リチウムイオンで、荷室床下に搭載される。
そのため、ICEモデルにあるフロア下収納スペースは失われ、前後重量配分はリア寄りの実測47:53に。サスペンションは前後マルチリンクだが、リアにはセルフレベリング機構付きのエアスプリングが組み込まれ、増加した重量の制御改善を図っている。
テスト車の実測重量は、燃料タンク半量で2122kg。バッテリーの重さが効いているが、スポーツカーではなく高級路線のクーペなので、さほど問題にはならないだろう。