メルセデス・ベンツCLE 詳細データテスト 快適で上質な走りが身上 動力性能と燃費効率はほどほど
公開 : 2024.11.23 20:25
内装 ★★★★★★★☆☆☆
Cクラスのオーナーなら、送風口やセンタートンネルのコンソールに共通点を見出すのにさほど時間はかからないだろう。CLEのキャビンのレイアウトや仕様、仕上げは、かなりの部分がCクラス由来であることが明らかだ。Eクーペから乗り換えたほうがガッカリ感は大きいだろうが、CとE、どちらのクーペから乗り換えてもそこまでひどく失望するほどではない。
装備やスイッチ類を動かした際のしっかり感や重さ、素材や材質の見た目や手触りといった質感は、批判されずに済むくらい高い。トリムやマテリアルの選択によっては、ツヤやケバケバしさが気になるが、それはよくあることだ。
今回のプレミアムプラス仕様は、ダッシュボードの加飾が下位グレードの木目調からアルミラインに変更され、トンカブラウンの表皮と組み合わされて高級感を高めている。しかし、部分合皮はやや手触りのソフトさが足りず、最近のメルセデスの中級車種としては、インテリア全体のマテリアルのフィットとフィニッシュがクラス水準を超えていない。大抵のひとがこんなものだと納得するだろうが、リッチさやラグジュアリーさで新たな基準となれるものではなかった。
ドライビングポジションは、ヒップポイントがほどほどの高さ。シートは、脚の長いドライバーにも十分な調整機構があり、快適性とサポート性は並はずれてはいないがほどほどにある。
デジタルメーターパネルは鮮明で、調整範囲もかなり広い。ステアリングホイールのスポークには、メーターやマルチメディアシステムの操作部があるが、間違って触れてしまいやすいが、ステアリングホイールから手を離して、センターディスプレイを押したりスワイプしたりするよりはいい。
後席スペースはやや残念ながら、ミッドサイズクーペの典型といったところで、10年も前に登場したレクサスRC Fよりヘッドルームもレッグルームも20mmほど小さい。シートは、小柄な大人なら使えるが、背の高い乗員は短距離しか乗れない程度だ。
荷室はバッテリーを積んでいるせいで、ICE車の420Lから290Lへ目減りしている。とくに影響を受けているのは深さだ。フロアはフラットで、背もたれは倒せるが、高さは最大で350mmしかないので、かさばる荷物は積みにくい。