2488cc 4気筒NA載せました! マツダ3へ英国試乗 太いトルクで加速は積極的 高速巡航19.5km/L

公開 : 2024.12.06 19:05

好燃費を目指し、自然吸気の2.5Lエンジンを獲得した3 即時的で線形的に反応 太いトルクで積極的な加速 高速巡航なら燃費は19.5km/L 従来の強みは変わらず 英編集部が評価

好燃費を目指し2.5Lエンジンを獲得した3

2025年仕様として、マツダのハッチバック、3がアップデートを受けた。その内容の1つが、アマゾンの音声アシスタント、アレクサを利用した音声操作機能がインフォテインメント・システムへ追加されたこと。

スマートフォンとのミラーリングにも無線で対応するが、これは2023年に実装済み。基本的に、2019年に発売された3の魅力は変わらない。ハンサムなスタイリングと、作りの良いインテリアを備えた、手頃な価格のファミリーカーだ。

マツダ3 e-スカイアクティブG ホムラ(英国仕様)
マツダ3 e-スカイアクティブG ホムラ(英国仕様)

ただしボンネットの内側には、意外な変更が加えられた。e-スカイアクティブと呼ばれるガソリンエンジンは、圧縮着火技術を利用するXと、安価版のGという2種類が提供されている。その後者の排気量が、英国仕様では2.0Lから2.5Lへ拡大されたのだ。

2024年のアップデートとして、大きくないハッチバックの排気量を増やすというアイデアは、奇妙なものに思える。カタログ上の燃費は、2.0Lの時より僅かに落ちており、CO2の排出量も増えている。

だがマツダは、エンジンの選択を表面的な数字だけでは判断していない。一般的に、排気量は大きい方が回転数を高めずとも充分なトルクを得やすく、実際の利用環境での負荷を抑えられる。

結果として高効率なリーンバーンの時間が増え、小さい排気量より、燃費を伸ばせる可能性がある。これはマツダが、CX-60に直列6気筒ディーゼルターボの、3.3Lユニットを採用した理由でもある。

即時的で線形的に反応する4気筒 太いトルク

新しい3の2.5Lユニットは、SUVのマツダCX-5が搭載するものと基本的に同じ。ロングストローク仕様の直列4気筒・自然吸気で、最大トルクは24.2kg-m/3300rpmが主張される。

一方で最高出力は、2.0Lのe-スカイアクティブXと差別化するため、あえて140psと低めに設定された。0-100km/h加速は、6速MTの場合、従来の2.0Lエンジン比で約1秒短縮した9.5秒となる。

マツダ3 e-スカイアクティブG ホムラ(英国仕様)
マツダ3 e-スカイアクティブG ホムラ(英国仕様)

以前、他メーカーも比較的小さなハッチバックに大きなエンジンを載せていた時代があった。だが最近は、ダウンサイジングターボへ置き換わっていることは、ご存知の通り。

英国の公道へ出てみると、特定の回転域で、4気筒エンジン特有の振動が僅かに生じる。しかし、フィーリングが荒っぽいわけでも、ノイズが大きいわけでもない。

基本的には滑らかに回り、軽くアクセルペダルを傾ければ、殆どの場面で充分なトルクが湧いてくる。エンジンの反応は、即時的で線形的。積極的な加速を簡単に引き出せるから、回転数を引っ張ることなく、早いテンポでシフトアップしていける。

トルクのおかげで、普段使いでレッドライン間際まで回す必要性は低いはず。ファミリー・ハッチバックだから、パワーを振り絞る要求も高くないだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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