【車名がプラドからランクル250に】ガソリンモデル試乗で見えたランクルの原点!

公開 : 2024.11.25 11:45

トヨタ・ランドクルーザーの中でも、ライトデューティー系に位置する『ランドクルーザー250』。プラドから250へと生まれ変わったこの新型モデルの印象を西川昇吾がレポートします。

発表時に語られたキーワードは原点回帰

2024年4月に登場した『トヨタランドクルーザー250シリーズ』。これにより、現行ランドクルーザー・シリーズが出揃ったことになる。

2021年8月に登場したラグジュアリーな『300シリーズ』、2023年11月に8年ぶりに国内販売を開始した、剛健堅牢な進化をはたした『70シリーズ』、そして中核を担う日常生活で使いやすい『250シリーズ』という3つが現在のラインナップだ。高い悪路走破性を誇るのは3モデル同じだが、それぞれのキャラクター分けは以前よりも明確となった。

2024年4月に登場したトヨタ・ランドクルーザー250シリーズ。写真はガソリンモデルのVX。
2024年4月に登場したトヨタ・ランドクルーザー250シリーズ。写真はガソリンモデルのVX。    佐藤亮太

250はプラドの実質的な後継車となるが、ランドクルーザーの名を冠したその背景には、コンセプトの変更がある。250の発表時に語られたキーワードは『原点回帰』だ。

ここ数世代のランドクルーザーは、フルモデルチェンジの度に高級で豪華な路線にシフトする傾向にあり、それはライトデューティーなプラドでも同様だった。そんな中、トヨタ自動車の豊田章男社長(当時)は「ランドクルーザー・シリーズの中で、世界で最も多くの方々にご愛顧いただいているプラドを、お客様が求める本来の姿に戻す必要がある」と提起した。

ネーミングが変わったとなれば、マーケティング上の狙いがありそうに思えるが、そうではない。イチからモデルを造り直すという思いがあったからこそ、新たなランドクルーザーのひとつとして、プラドではなく250になったのである。

質実剛健になったインテリア

さて、原点回帰をテーマに掲げた250シリーズを実際に見てみると、確かにプラドに比べて質素になった印象だ。エクステリアは伝統と、最近のトレンドであるオフローダーらしさをふんだんに詰め込んだ印象だが、プラドと比べるとメッキ加飾はどこにもない。破損時の修理のしやすさも配慮した、悪路での実用を考えたエクステリアなのだ。

インテリアは水平基調で、これが車体の姿勢を分かりやすくするためなのは想像に難くない。また各種スイッチが物理ボタンになっているのも、過酷な状況での扱いやすさに繋がっている。今回試乗したのはガソリンエンジンの『VX』で、ディーゼルターボが上級の『ZX』とベーシックな『GX』の3グレードであるのに対し、こちらはVXのみの設定だ。

ランドクルーザー250VX、ガソリンモデルのインテリア。質実剛健という言葉が似合う。
ランドクルーザー250VX、ガソリンモデルのインテリア。質実剛健という言葉が似合う。    佐藤亮太

VXのインテリアはブラックで統一されている。メッキ加飾はなく、シルバーの加飾が僅かにあるのみ。プラドはブラック×ベージュのインテリアでウッドパネル仕様もあったから、250は質実剛健になった印象が強い。ディーゼルのZXにはブラウンシートがありシルバー加飾も増えるが、それでもプラドの最上級グレードと比べたら豪華さは控えめになり、実用性をより意識した印象だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    西川昇吾

    1997年、富士スピードウェイのほど近くに生まれる。必然的に、モータースポーツとともに幼少期を過ごす。当時愛読した自動車雑誌の記憶に突き動かされ、大学時代から自動車ライターとして活動を開始。卒業後、動画系の自動車媒体に所属したのちフリーとして独立。地元の地の利を生かし、愛車のNBロードスターでのサーキット走行や、多彩なカテゴリーでのレース参戦を積極的にこなす、血気盛んな若手モータージャーナリスト。
  • 撮影

    佐藤亮太

    Ryota Sato

    1980年生まれ。出版社・制作会社で編集経験を積んだのち、クルマ撮影の楽しさに魅了され独学で撮影技術を習得。2015年に独立し、ロケやスタジオ、レース等ジャンルを問わない撮影を信条とする。現在はスーパーカーブランドをはじめとする自動車メーカーのオフィシャル撮影や、広告・web・雑誌の表紙を飾る写真など、様々な媒体向けに撮影。ライフワークとしてハッセルブラッドを使い、生涯のテーマとしてクラシックカーを撮影し続けている。佐藤亮太公式HPhttps://photoroom-sakkas.jp/ 日本写真家協会(JPS)会員
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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