【車名がプラドからランクル250に】ガソリンモデル試乗で見えたランクルの原点!

公開 : 2024.11.25 11:45

パワーユニットは古臭いが

今回はオンロードでの試乗。新世代となったラダーフレームは300と共通の『GA-Fプラットホーム』。オンロードでの乗り心地は比較的良好な印象だが、ラダーフレーム特有の『上物だけ揺れているような横揺れ感』が多少あるのは否めない。しかしスッキリとしたステアリングフィールを見せ、低速時の取り回しもしやすい。キックバックの低減も意識した電動パワステは、実用性を考えても採用してよかったと実感できたメカニズムだ。

ただ、パワートレインは正直古さを隠しきれない印象。2.7LのガソリンエンジンはNA、トランスミッションは6速ATと、2トンを超える車体をストレスなく走らせるには少し心もとない。高速巡行でも少し加速してからシフトダウンをするとエンジンは唸りを上げるし、燃費も7km台後半がやっとというところだ。

パワートレインは正直古さを隠しきれないが、短期間では体感できないタフさがあるはず。
パワートレインは正直古さを隠しきれないが、短期間では体感できないタフさがあるはず。    佐藤亮太

低速トルクはあるが、回転数はすぐに高まり、商用車的なエンジンサウンドが主張をする。ディーゼルが2.8Lターボで8速ATであることを考えると、正直、このクルマを買うならディーゼルがオススメだ。海外市場ではハイブリッドを用意されているので、オンロードで乗るとハイブリッドの日本導入を望んでしまう。

ただハイエースやハイラックスなど、長年トヨタの耐久性を求められる車両に搭載されてきた『2TR-FE』エンジンであることを考えると、今回の短期間では体感できない、長年オーナーになった者のみに許された、タフさを感じられる日がくるはず。

そう思えば、このガソリンエンジンのVXが、今回のコンセプトである『原点回帰』を一番体現したグレードなのかもしれない。それは、昨今のブームに乗りデザインだけで飛びついた人にはわからない、長年クロカンSUVを愛した人にしか感じ取れない境地であろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    西川昇吾

    1997年、富士スピードウェイのほど近くに生まれる。必然的に、モータースポーツとともに幼少期を過ごす。当時愛読した自動車雑誌の記憶に突き動かされ、大学時代から自動車ライターとして活動を開始。卒業後、動画系の自動車媒体に所属したのちフリーとして独立。地元の地の利を生かし、愛車のNBロードスターでのサーキット走行や、多彩なカテゴリーでのレース参戦を積極的にこなす、血気盛んな若手モータージャーナリスト。
  • 撮影

    佐藤亮太

    Ryota Sato

    1980年生まれ。出版社・制作会社で編集経験を積んだのち、クルマ撮影の楽しさに魅了され独学で撮影技術を習得。2015年に独立し、ロケやスタジオ、レース等ジャンルを問わない撮影を信条とする。現在はスーパーカーブランドをはじめとする自動車メーカーのオフィシャル撮影や、広告・web・雑誌の表紙を飾る写真など、様々な媒体向けに撮影。ライフワークとしてハッセルブラッドを使い、生涯のテーマとしてクラシックカーを撮影し続けている。佐藤亮太公式HPhttps://photoroom-sakkas.jp/ 日本写真家協会(JPS)会員
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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