【オフロードでは不思議体験!】メルセデス・ベンツ伝統のGクラスにEVはアリ?

公開 : 2024.11.26 11:45

3トンを超える車重を蹴飛ばすような感覚

続いて試乗したオンロードでは、ステアリングの豹変ぶりに驚いた。Gクラスのステアリング機構は2018年以降の現行モデルになってから、クロカンモデルの伝統のひとつであるボールナット方式から一般的なラック&ピニオン方式となった。

ところが、オフロードではボールナットを思わせるいい意味でダルさのあるステアリングフィールであったのに対し、オンロードではラック&ピニオンらしいシャキッとしたフィーリングとなり、このふたつを両立していることに驚かされた。

オンロードではラック&ピニオンらしいシャキッとしたステアリングフィールとなる。
オンロードではラック&ピニオンらしいシャキッとしたステアリングフィールとなる。    神村聖

そしてオンロードでひとたびアクセルを踏み込んでいくと、その加速感には度肝を抜かれる。1164Nmという最大トルクは、あっけなく3トンを超える車重を蹴飛ばすような感覚で、動力性能に優れる速いスポーツカーのそれとはまた違ったものだ。

オンロードではラダーフレーム特有の、路面からの入力が逃げていくような横揺れ感がある。それは古典的なクロカンモデルとして正しい乗り味だが、それがBEVで音もなく駆動するのは、とても不思議なフィーリングだ。つまりは伝統の乗り味と最新パワーユニットの融合であり、G580はGクラスだからこその新しい世界が見られるモデルとなっていたのである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    西川昇吾

    1997年、富士スピードウェイのほど近くに生まれる。必然的に、モータースポーツとともに幼少期を過ごす。当時愛読した自動車雑誌の記憶に突き動かされ、大学時代から自動車ライターとして活動を開始。卒業後、動画系の自動車媒体に所属したのちフリーとして独立。地元の地の利を生かし、愛車のNBロードスターでのサーキット走行や、多彩なカテゴリーでのレース参戦を積極的にこなす、血気盛んな若手モータージャーナリスト。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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